"消えた暖房と姑の末路" 第2話
そのは、ほとんど私が良の世話をした。
夜、泣き止まない良を抱いて部を歩きながら、私は何度も窓のを見た。
公平は翌朝も仕事へかなければならない。
そううと起こすこともできず、私はで赤ん坊を抱き続けた。
それでも良の寝顔を見ると、議とまた頑張れた。
育児に追われる毎は変だったが、私はこの活を自分で選んだのだとっていた。
数、公平の父が突然くなった。
義父は厳しいだったが、私や良のことを気にかけてくれるでもあった。良がまだしっかり歩けない頃から、「きくなったら緒に野球観戦にく」と楽しみにしていた。
それだけに、義父のは残だった。
齢で病気もあった。はいつかくなるものだと分かっていても、残された義母の姿を見ると胸が痛んだ。
義母の子は、夫をくしたショックでしばらく寝込んでしまった。
「あのがいなくなったら、私はどうやって暮らせばいいのかしら」
そう言って、何度も泣いた。
その姿を見る公平は、本当に辛そうだった。
私は、できる限り義母を支えようとった。
葬式は私たちがになってい、今のことも考えて費用も負担した。公平は息子で、に頼れる親類もいなかった。
葬式が終わった夜、良が寝たあと、公平は申し訳なさそうに私へ切りした。
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「ゆかりには迷惑をかけるかもしれない。でも、母さんと同居したいんだ」
私はすぐには答えなかった。
義母と同居するとなれば、気を使うことは分かっていた。けれど、義母は良をがっていたし、それまで私も特別に嫌な印象は持っていなかった。
夫をくしてになった義母を放っておくこともできない。
私は公平の顔を見て、静かにうなずいた。
「分かった。お母さんと、あなたの実で緒に暮らしてみよう」
公平はほっとしたように息を吐いた。
義母に同居を提案すると、彼女も嬉しそうに頷いた。公平と良に毎会えることが、から嬉しいのだとった。
こうして、私たちは義実へ引っ越した。
けれど、その判断を悔するまでに、いはかからなかった。
同居を始めてすぐ、私は義母の態度にさな違を覚えるようになった。
義母は公平と良には優しかった。
公平が仕事から帰ると、嬉しそうに夕の皿を並べる。良にはお菓子をし、学の話を聞きたがる。
けれど、私に対しては違った。
ある、義母は所のケーキでケーキを買ってきた。
箱をけると、には2つだけ入っていた。
「公平と良の分ね」
義母は当たりのように言った。
私は瞬、言葉に詰まった。私の分がないことくらい、偶然ではないとすぐ分かった。
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「私はいいです」
そう笑ってごまかしたが、胸の奥にはさな棘が残った。
義父がいた、義母はここまであからさまではなかった。義父が厳しかったから、表にせなかっただけなのかもしれない。
私は何度も考えた。
自分は義母に何か嫌なことをしただろうか。
失礼なことを言っただろうか。
けれど、い当たることはなかった。
公平が仕事へき、良が学へくと、には私と義母だけが残る。
すると毎のように、義母の愚痴が始まった。
「本当に領が悪いわね」
「掃除の仕方が雑なのよ」
「にいるだけなのに、どうしてそんなに疲れた顔をしているの」
私は最初、聞き流そうとした。
しかしあまりにも続くので、ある、しだけ反論した。
「私なりにやっています。良のこともありますし」
すると義母は、すぐに声を尖らせた。
「働きもしない穀潰しのくせに、答えするんじゃないよ」
その言葉に、私は息が止まった。
仕事を辞めたのは、働きたくなかったからではない。
公平のため、良のため、庭を優先するために決めたことだった。続けられるなら、私だってせっかく入ったを辞めたくなかった。
のでは何度もそう反論した。
けれどにはせなかった。
義母は、あろうことか良にも私の悪を吹き込むようになった。
「おのお母さんは、おの好物も作ってくれないんだね。
ひどい母親だ」
良は困った顔をして、さく答えた。