"災いの男、女だけの島" 第7話
島のは取り分け蒸し暑かったのですが、数の体にまとわりつくようなぬるいが吹いたかとうと、やがて粒のがり始めました。
まるでの底が抜けたかのように、は何も昼夜を問わずり続きました。本の梅のようでした。
島全体が湿り気を帯び、カビ臭い空気に包まれました。
女たちはが止むのを願い、古社に供物を捧げましたが、は止む気配を見せません。
吉助はの軒先で音を聞き、吉な予に襲われておりました。
ぶりにががった、島は浸しになったようでした。
そして忌まわしい来事が始まりました。
の子供たちがまたと咳をし始めたのです。
最初はただに打たれて邪を引いたのだろうと誰も気に止めませんでした。
しかしその咳は普通の咳ではありませんでした。乾いた咳が晩続き、子供たちは息が苦しいと泣き叫びました。
そして千代の幼い妹・もその病にかかり、に伏せることになりました。
千代は事を運びながらも魂が抜けたような顔をしておりました。
彼女の目は落ちくぼみ、いつもの好奇は跡形もなく消えうせていました。
吉助は配して尋ねました。何かあったのか?顔が優れぬようだが。
千代はこらえていた涙を溢れさせました。
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が、私の妹が息ができなくて苦しんでいるのです。のの子供たちも同じです。たちは —— 彼女は言葉を続けられませんでした。
そのでした。の央から富士の切り声が響き渡りました。
彼女はたちを広に集め、何かを叫んでおりました。吉助はからその声を聞きました。
これは災厄だ。らの先祖が警告なされた男の呪いがりかかったのだ。あのよそ者の男が島にを踏み入れてから、神様はらをお見捨てになった。この島に病を巻き散らしているのだ。
富士の叫びは恐怖に駆られた女たちのにをつけました。
彼女たちはこれまで抑え込んでいたを気に爆発させました。
そうだ。あの男が来てから気がおかしくなった。子供たちが病気になったのもみんなあの男のせいだ。今すぐあいつをにけ贄として捧げるんだ。
は瞬くに狂気に包まれました。富士はこの会を逃しませんでした。彼女は吉助をこの島の全ての幸の元凶として指弾しました。
吉助はので拳を握りしめました。これは呪いや迷信ではない。彼は学者でした。
彼は現象の裏にある理屈を見ようとしました。彼は千代に切迫した様子で訪ねました。
千代殿、そしての子供たちは何をべたのだ?がるとで変わったべ物はないか?
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千代は涙を拭いながら考えました。
続きで畑にられませんでした。ですから、みんな倉にしまっておいた穀物を、このの収穫物としてべていました。
その瞬、吉助の脳裏に稲妻がりました。
の、湿った空気、そして密閉された穀物倉。彼は古今の医で記された説をいしました。
湿気とがこもれば穀物は腐敗し毒をむ。そこからじるカビは邪気を放ち、の呼吸器を侵し、呼吸を塞ぎに至らしめるということ。
これは呪いではなくカビによる疫病であり、その原因は腐った穀物である能性が極めてい。
彼は千代のを掴んで言いました。
千代、拙者を信じてくれ。これは呪いではない。穀物がカビを帯びておるのかもしれぬ。子供たちがべた穀物を拙者が直接確かめねばならん。
千代は恐怖に青ざめました。穀物倉はの命綱であり、富士が管理する所でした。
倉は古い社のすぐ隣にあり、吉助にとっては絶対にち入りを禁じられた所でした。
しかしの苦しむ姿をいすと千代は決を固めました。彼女は頷きました。
夜更けになれば皆が古社で祈りを捧げます。富士様もそこへくでしょう。その私がを見張りますから。でももし見つかればとも命はありません。
吉助は壮な覚悟で頷きました。
彼は武士でしたが、今はの命を救う医者としての境でした。
夜更けが訪れました。