"7時15分の黒い日記" 第3話
そうおうとした。けれど、は消えなかった。
窓のの暗が、その夜はいつもよりく見えた。
昭56に入ると、佐藤の記はさらに危険な内容へ変わっていった。
昭56214。バレンタインデー。彼女は誰かにチョコレートをあげたのだろうか。僕には何もくれない。僕だけを見てほしい。
昭56530。566目。彼女の微笑みが僕に向けられた気がする。もしかしたら彼女も僕のことを……いや、そうに違いない。
子の何気ない挨拶や、乗のさな会釈を、佐藤は自分への好だと解釈するようになっていた。現実と妄の境界が、しずつ曖昧になっていった。
そして昭5611、佐藤ので何かが決定に壊れた。
昭56116。もうできない。彼女は僕のものになるべきだ。あの男の妻でいることは許せない。僕だけの彼女にしなければ。今夜、決した。
昭561113、曜。
子にとっては、いつもと変わらない1として始まった。朝6に起き、噌汁を作り、焼き魚を皿にのせる。姑の静は相変わらず嫌で、噌汁のがいと文句を言った。夫の浩は何も言わず、黙々と朝をべた。
子はいつものように支度をえ、715分のバスに乗るためをた。
留所に着くと、朝のたい空気のでバスがづいてきた。ドアがき、運転席には佐藤がいた。
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「おはようございます」
佐藤がいつものように声をかけた。
子も軽くをげた。
「おはようございます」
その何気ない笑顔を見た、佐藤の臓は激しく鳴っていた。
今で最だ。
今夜、彼女は僕だけのものになる。
そのの夕方、子のでは例の親睦会がかれた。以、職員たちがくの居酒に集まり、仕事の疲れを癒やしていた。子は普段あまり酒をまなかったが、そのは同僚に勧められ、ビールを数杯にした。
親睦会は21頃におきとなった。子は同僚たちにを振り、しふらつく取りで最寄りのバスへ向かった。
2130分発のバスが到着した。
ドアがく。
運転席には、朝と同じ佐藤が座っていた。
「あら、佐藤さん。夜も運転されるんですね」
子はし驚いた顔をした。
「ええ、今は代わりです。気をつけてお帰りください」
佐藤は穏やかに答えた。
本来、夜の線は別の運転が担当するはずだった。しかし佐藤は同僚に頼み込み、勤務を代わっていた。理由をつけて、あらかじめこの夜のバスを担当するようにしたのだった。
曜の夜遅い、乗客はなかった。
子を含めて3だけ。
バスは静かに夜の町をった。1、また1と乗客がりていく。最の乗客がりると、内には子と佐藤だけが残った。
次は子がりる留所だった。
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しかし、バスは留所を通り過ぎた。
子は慌ててちがった。
「すみません。留所、過ぎましたけど」
佐藤は何も答えなかった。
バスはそのままり続け、をれた暗いに入った。灯もない脇で、突然、バスが急した。
子の背筋にたいものがった。
「佐藤さん……何を?」
佐藤は運転席からちがり、子の方へ歩いてきた。
その目は、いつもの親切な運転のものではなかった。
「吉田さん。ずっと見ていました。ずっとあなたのことを。僕だけを見てください」
子はずさった。声が喉に張りつき、うまくない。
バスのドアは閉まっていた。
逃げはなかった。
翌朝、子が帰宅していないことに気づいた浩は、最初は親睦会の、同僚のに泊まったのだろうとった。
しかし午になっても連絡はない。胸騒ぎを覚えた浩はに話をかけた。
話にた同僚は驚いた声をげた。
「吉田さんなら、昨21頃、親睦会のに帰られましたよ。1でバスに向かわれました」
浩は受話器を握ったまま、顔から血の気が引いていくのをじた。
昭561114、浜松警察署に吉田子の捜索願がされた。
警察はすぐに捜査を始した。担当は本警部補をとする捜査チームだった。29歳の既婚女性が、曜の夜、親睦会の帰りに忽然と姿を消した。
の能性はく、事件性がいと判断された。
まずの同僚たちへの聞き込みがわれた。