"いただきますのない食卓、私は家を出た" 第2話
最に蔵庫の横にずっと張り続けていたものを見つめる。
それは族の好みや健康状態にわせて、私が毎きで綴ってきた献表だった。
27、何度もしいにき換えながら続けてきた、がの歴史そのものだ。
私はそれを静かに剥がした。
そして引きしの奥にしまってあった古いノートのにねておいた。
夜、族全員が眠りについた静まり返ったので、私はさなバッグに自分の荷物を詰めていた。
必最限の着替えと貴品だけ。
玄関の扉を音をてないようにゆっくりとける。
振り返ることはしなかった。
このから私が消え、作りの朝も炊飯器の予約も綺麗にえられたシャツもない朝を迎えた、彼らは体どんな顔をするのだろうか。
たい夜が私の体をなでていった。
翌朝、いつもなら台所から聞こえるトントンという軽やかな包丁の音と、お汁の良いりで目を覚ますだった。
しかし、そのの朝ののは気なほど静まり返っていた。
計の針は午6半を指している。
夫の孝志は寝で目を覚まし、嫌そうにうなり声をげた。
「おい、みわ子、何だとってるんだ?」
声をかけても返事はない。
いつもなら慌てて階段をがってくる音が聞こえるはずなのに、のには静寂だけが広がっている。
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孝志はしぶしぶベッドから起きがると、パジャマ姿のまま台所へと向かった。
「朝飯はどうした?」
苛ちを隠せない声で叫びながら台所を覗き込んだ孝志は、わずを止めた。
誰もいない。
ガスコンロにはが入っておらず、流し台は綺麗に乾いている。
横を見ると炊飯器の源ランプが消えたままだった。
蓋をけてみるがは空っぽ。
予約のスイッチすら入れられていない。
「なんだこりゃ。あいつ寝坊でもしたのか」。
ブツブツと文句を言いながら孝志は卓へと目を向けた。
そこには綺麗に片付けられたテーブルの央に、1枚のさなメモ用がポツンと置かれていた。
孝志はそれをに取り目を細めた。
「今から自分の事は自分でお願いします」。
見慣れた妻の文字だった。
孝志はで笑い、メモをテーブルに放り投げた。
「げさだ。し文句を言わなかったからってするつもりか」。
そこへ寝から姑のかよが杖をつきながらゆっくりと歩いてきた。
「し、みわはどうしたの?お腹が空いたわよ。それに朝のお茶もまだてこないじゃないの」。
謝より先に文句がるのはいつものことだった。
孝志は面倒くさそうにテーブルののメモを指さした。
「母さん、あいつこんな置きを残してかけたみたいだ」。
かよはメモを覗き込むと、呆れたようにで笑った。
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「ああ、いいをして恥ずかしい。嫁がをて体どこへけるって言うのよ。おだってして持っていないだろうに」。
「全くだ。どうせ昼には腹をすかせて戻ってくるだろう」。
2がそんな会話をしていると、2階からドタバタと音が聞こえ、男の翔太が慌てた様子でりてきた。
ネクタイを締めながら満そうに声をあげる。
「母さん、俺の弁当どこ?もうをるなんだけど」。
孝志が「今は弁当はない。コンビニで買え」と伝えると、翔太は「あ、ふざけんなよ。面倒くさいな」と舌打ちをして玄関へ向かっていった。
続いて起きてきた女の彩佳と次男の匠も台所の様子を見て首をかしげたが、特に気にする様子はなかった。
「ふん、お母さんいないんだ。まあいいや。駅のカフェでモーニングでもべていくから」。
彩佳はスマートフォンでメイクの画を見ながらあっさりとそう言った。
「俺も学のくでなんか買うわ。てかお遣いくれよ」。
匠も母親がいないことよりも朝代のことしかにないようだった。
誰として事態を刻に受け止めていなかった。
27、も休むことなく族の世話をし続けてきた母であるが突然姿を消したというのに、いないくらい何も変わらない。
族全員が本気でそうっていたのだ。
やがて子供たちがをていき、孝志は自分の朝の支度をするために蔵庫をけた。