"ロッカー裏の花嫁" 第2話
匠は、彩を見た瞬に目惚れしたという。
それから2は、毎週末のように会うようになった。映画館で『ゴースト』や『ターミネーター』を観た。当の映画チケットは1500円ほどだった。座で買い物をし、京タワーにも登った。
19914、匠は彩の両親に正式に挨拶をした。
そして199158、京の式で結婚式を挙げた。参列者は約200名。居は目黒にある2LDKのマンションで、敷や具代として約300万円がかかった。両の両親が、それぞれ150万円ずつ援助してくれた。
友たちの証言によれば、2は本当に幸せそうだった。
しかし、結婚式の当、1つだけ自然な来事があった。
婦側の席に、ある男がしだけ座っていたという。式が始まる、その男は静かに席をち、誰にも声をかけずにていった。
彩の学代の友、田由がその姿を見ていた。
「あ、あの、健先輩じゃない?」
隣にいた友が振り返ったには、男はもう会のへていた。
健。
彩の学代のサークルの先輩だった。
さらにもう1つ、穏な記憶が残っていた。
婚旅のである1991510の夜、彩は友の伊藤真のにち寄った。2で話している途、彩のポケベルが鳴った。
ピーピーという子音が、部の空気を裂いた。
「あれ、誰だろう」
彩はし困った顔をしながら、公衆話を探しにへた。
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10分に戻ってきた、彼女の表は暗かった。唇は固く結ばれ、さっきまでのるさは消えていた。
「何かあったの?」
伊藤が配して尋ねると、彩は首を横に振った。
「ううん。丈夫」
しかし、伊藤は話の彩の声を聞いていた。
「なぜ何度もそんなことを言うんですか。もうやめてください。私は、婚旅にくんです」
その声は、らかに怯えていた。
伊藤にとって、それが鈴彩の最の記憶になった。
彩は幸せのにいた。
だが、そのすぐくには、過から伸びてくる暗いがあった。
1991511の夕方、静岡県警は柄サービスエリアで起きた若い女性の失踪事件を担当することになった。
捜査を任されたのは本刑事。当42歳、刑事として10以の経験を持つベテランだった。
本はまず、2つの能性を考えた。
第1は、自発なだった。結婚して3目に突然姿を消すというのは奇妙だったが、彩が分証をハンドバッグに残し、財布だけを持っていた点は気にかかった。
第2は、誘拐だった。誰かが彼女を無理やり連れった能性である。
本は最初に夫の佐藤匠を調べた。統計に、な物が関係している事件はなくない。婚直の失踪であれば、夫を確認しないわけにはいかなかった。
1991512、静岡県警の取調で、本は匠に尋ねた。
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「佐藤さん、事件当、正確にはどこにいましたか」
匠は疲れ切った顔で答えた。
「駐です。の横でタバコを吸っていました」
「誰かが見ていましたか」
「周りにはたくさんがいました。誰かは見ていたといます」
警察は駐にいた々を探した。結果、5が匠の姿を覚えていた。
「あの、見ましたよ。ずっとのくにいました」
「タバコを吸いながら、何度も建物の方を見ていました」
その証言により、匠のアリバイは確認された。なくとも、彩が消えた帯、匠は駐にいた。
本は次に、サービスエリアの従業員たちに聞き込みをった。売、堂、コンビニ、お産。だが、誰も彩を覚えていなかった。
「お客さんがすぎて、いちいち覚えていませんよ」
「いワンピースの若い女性ですか。そういうお客さんは1に何もいますから」
それでも本は納得できなかった。
結婚して3目の若い女性が、財布だけを持って姿を消した。しかも型サービスエリアので、誰にも記憶されていない。
1991515、たな仮説がされた。
速を利用した連続誘拐の能性である。当、名速周辺では、女性の失踪や審な声かけがいくつか報告されていた。
そので名が挙がったのが、佐々清義という32歳のトラック運転だった。速を頻繁にき来し、過に女性へのつきまといで警察に注された記録があった。
警察は佐々を呼びした。
「511、どこにいましたか」