"失敗作のグッバイ" 第6話
好きなことをいっぱいしたい。もちろん、それだけじゃだめなのは分かっているから、お父さんとお母さんを困らせないようにはする。でも、おばあちゃんたちをばせるために、僕がするようなことはしたくない」
その言葉は、2歳だった頃とは違う、徹自のはっきりしただった。
舅は静かにうなずいた。
「そうだな。その通りだ」
けれど姑は、まだ分かっていない様子だった。
「私はただ、あなたと仲良くできればそれで」
徹は首を横に振った。
「おばあちゃんは、もし僕と仲直りしたら、また僕に勉しろって言ってくるとうんだ」
「しないわよ」
「そんなことないよ。もう癖みたいになってるでしょ。治らない。治るって言われても、僕は信じられない」
姑の顔が沈んだ。
徹は最に言った。
「だから、おばあちゃんたちとは仲直りしません。分かった?」
夫は徹の肩にを置いた。
私も姑を見て言った。
「子どもは、の承認欲求を満たすためにいるわけじゃないんですよ」
夫も続けた。
「こんな当たりのことを、いちいち言われないと分からないのもどうかとうよ」
私はさらに言った。
「お母さんは徹を、涼介さんの、いえ、ご自分の優秀な遺伝子の証にしたいんですよね。優勝したと聞いて連絡してきた。それが全部答えだといます」
姑は否定しようとしたが、言葉がなかった。
広告
私は静かに続けた。
「私は卒です。でも今は自分のマッサージサロンを持って、毎働きながらこの子を育ててきました。学歴が子どもの価値を決めるなら、徹は私の子だから失敗作なのかもしれません。でも、私はそうはいません」
徹がこちらを見た。
私は笑って言った。
「徹は徹です。英語が好きで、アニメが好きで、笑うのが得な、それだけで分すぎるくらい最の子です」
夫もうなずいた。
「最に俺からも言う。また徹が何かで優勝したとか、受験したとか、結果がたに連絡してこないでくれ。自分の子どもを評価の対象として見られるのは気分が悪い。徹のは徹のものだ」
そう言って、夫は徹をのへ促した。
徹は最に1度だけ振り返り、く言った。
「グッバイ」
義両親の暗い表が、玄関先に残った。
その、義兄から聞いた話では、義兄夫婦も義両親と絶縁したらしい。義兄の奥さんも育児への干渉に限界をじていたのだという。
さらに数、義両親は熟婚した。
見のい違いが増え、2だけの暮らしも続かなかったそうだ。
方、私たちにはしい族が増えた。
双子の女の子、とがまれたのだ。
は気に賑やかになった。夜に2同に泣きすと、なかなかの音量だったが、徹は率先して妹たちの世話をしてくれた。
ある、徹が絵本を読んで聞かせていると、まだ1歳のがじっと兄の顔を見つめていた。はその隣ですやすや眠っている。
夫が笑った。
「お兄ちゃん、読み聞かせうまいな」
徹が英語で読んでみると、はも分からないはずなのに、きゃっきゃと笑った。
私はその景を見ながらった。
この子たちが幸せに過ごせること。
それが私の1番の願いだ。
そして幸いにも、その願いは々更される形で、今も叶い続けている。
完