"失敗作のグッバイ" 第2話
そのも、バッグのからナッツ、ぶどう、バナナ、よく分からない健康品が次々とてきた。
「ナッツはブレインフードって呼ばれているのよ。脳が活性化される成分が入っているんですって。たくさんべてね」
姑は得げに説した。
だが、その識のほとんどは、インターネットで正確に調べたものではなく、所のやお気に入りのコメンテーターから聞きかじったような内容だった。
夫が困ったように言った。
「母さん、もうこんなに持ってこなくていいよ」
私も苦笑いしながら続けた。
「回いただいたものも、まだべきれていなくて」
すると姑は、当然のように言った。
「何を言っているの。奈々子さんには、賢い子どもを産んでもらわないと」
夫の顔がし険しくなった。
「そりゃ子どもが賢いに越したことはないけど、賢くなくたっていいだろ。自然に任せようぜ」
「だめよ。あんたが賢くまれたのは、私がそういうものを積極に摂っていたからなのよ」
夫は確かに、世に見ればかなりがいいだった。
方で私は卒だった。
子どもの頃、私は病気がちで学にあまり通えなかった。病気が落ち着いた頃には授業についていけず、友たちの会話も分からなくなり、付きいが嫌になって引きこもった期もあった。
になるにつれて気持ちは落ち着いたが、勉への苦識は残った。
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卒認定を取るもあったけれど、仕事で困ることもなく、私は今の自分に納得していた。
だからこそ、姑の「のいい子を産め」という執着が、私には理解できなかった。
姑自は、いわゆるエリート系にまれたらしい。
しかし、本は勉があまり得ではなく、学受験もせず最終学歴は卒だった。そのことで、卒ばかりの族ので見されてきたそうだ。
だから姑は、自分の子どもをエリートに育てて、自分を見してきたたちを見返そうとした。
その結果、涼介は息が詰まりそうな環境で勉を続けることになった。
夫は勉ができる。
けれど、自分の子どもには同じいをさせたくないと考えていた。そこは私と見がっていた。
それなのに、姑の干渉は止まらなかった。
ある、姑は夕会をしようと言いした。
「賢い子がまれるにはべ物が事なのよ。マグロがいいって聞いたわ。DHAがたっぷりでが良くなるって。今夜、マグロの刺を用しておくから」
私は戸惑った。
「あの、妊婦はものを控えたほうがいいって、産婦科でも言われていて」
「げさね。昔のはそんなこと気にしないで、元気な子を産んでいたわよ」
姑はそう言って、話を打ち切ってしまった。
その夜、卓には刺の盛りわせが並んだ。マグロ、サーモン、ハマチ。
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どれもだった。
私が箸を止めていると、隣に座っていた涼介が素くいた。
「俺、腹減ってたんだよね」
そう言って、刺を次々と自分の皿へ移していった。
瞬だけ目がった。
丈夫。俺がべる。
そう言ってくれているようだった。
それからも同じようなことが続いた。
姑がDHAのサプリだと言って持ってきたも、夫はボトルの成分表示を確認して、すぐに言った。
「母さん、これ妊婦NGの成分が入ってる」
姑はそうに眉を寄せた。
「そんなの気にしちゃだめよ。あまり推奨できないってだけで、絶対にだめってわけじゃないんでしょう」
夫は静かに、しかしく言った。
「賢い子を産むに、健康な子どもと母体が事だろ。無事にまれなかったら、何のもない」
その言葉に、姑はごもった。
さらに夫は続けた。
「奈々子はサプリが体にわない。これは慮する」
姑は最まで満そうだったが、そのはサプリを持って帰った。
私はから、いい夫を持ったとった。
妊婦の体は繊細だ。いくら体にいいと言われても、うかどうか分からないものを簡単にに入れたくなかった。
やがて私は、無事に息子の徹を産した。
義両親は待望の孫に会いたいと頻繁に言ってきたが、徹はまれたばかりの頃、邪をひきやすかった。きな病気ではなかったけれど、体調を崩しやすかったため、夫が義両親との面会を断ってくれた。