"中卒嫁の逆転婚礼" 第5話
美悟もスーツ姿で、何度も計を確認している。
私は鏡ので髪をえながら、自分に言い聞かせていた。
今は奈々ちゃんのれの。
慎吾さんやその族のことが苦でも、笑顔で過ごそう。
奈々ちゃんが幸せなら、それでいい。
ホテルに着くと、控にはのりと装の布の匂いが混ざっていた。廊を歩くスタッフの音や、くから聞こえる招待客の話し声が、式の始まりがいことをらせていた。
しばらくすると、慎吾さんの族が控に顔をした。
「お久しぶりですね」
慎吾さんのお父さんは、にこやかにそう言った。
しかし直、私を見るなり、眉にしわを寄せた。
相変わらず私のことをよくっていないようだった。
それでも私は、をげた。
「本はよろしくお願いいたします」
すると慎吾さんのお父さんは、ソファに腰をろしながら、わざとらしく咳払いをした。
「ひとつ、よろしいですか?」
お義父さんが「はい」と返す。
慎吾さんのお父さんは、ゆっくりと部のを見回し、それから私に線を止めた。
「うちは今、親戚の者たちもたくさん参ります。皆それなりの学歴や社会位のある者ばかりです」
「はあ。たくさん集まっていただけて、ありがたいことですね」
お義父さんは、言葉の図が分からない様子で答えた。
慎吾さんのお父さんは、く笑った。
広告
「いい会ですので、正直にお伝えしたいことがあります。私たち族は、そちらのご族について、し配していることがあるんです」
「配というのは?」
お義父さんの声がしくなった。
慎吾さんのお父さんは、ちらりと私を見た。
「お姉さん。あなた、卒でしたよね」
私は息をのんだ。
「そうですけど」
「今のような席で、学歴のない方が親族として並ばれると、うちの親戚に対して説がつかないんですよ。恥ずかしいとわれてしまう。ですから、お姉さんだけは参加を慮していただけますか」
瞬、自分のを疑った。
結婚式当に。
婦の族に向かって。
学歴を理由に帰れと言っているのだ。
私が言葉を失っていると、慎吾さんのお母さんが穏やかな調で続けた。
「言い方が悪ければ申し訳ないんですけど、族として認めるかどうかという話なんです。卒の方を親族席に入れることは、うちのの品位に関わるとっていまして」
「お願い。うちは学歴をとても切にしているなの。族として認めるには、それ相応のものがないといけないの」
慎吾さんのお母さんは、まるで優しく諭しているつもりのようだった。
「今は今すぐ帰るのが嫌なら、控にいてもいいですから。雰囲気をわうくらいは許しますから」
むちゃくちゃだった。
広告
式に参加することは認めない。
でも控にいることは許す。
どこまでを馬鹿にすれば気が済むのだろう。
慎吾さん本も、父母の横で頷いていた。
その姿を見た、私ので最の期待が消えた。
「逆らうなら、この話は破談です」
慎吾さんのお父さんが、勝ち誇ったように言った。
「もう入籍済みなので変残ですが、息子とは婚してもらうことになります」
慎吾さんも、ウェディングドレス姿の奈々ちゃんに向かって言った。
「婚したくないだろ?頼むよ」
奈々ちゃんの顔が、苦しそうに歪んだ。
私は胸が痛んだ。
帰ろう。
こんなれのに、奈々ちゃんを苦しめてはいけない。
そうってをきかけた、そのだった。
「なら、婚で」
奈々ちゃんの声が、控にはっきり響いた。
そのにいた全員が固まった。
美悟だけが、妙にるい声で言った。
「ナイス判断。婚で」
お義母さんも、静かに頷いた。
「そうね。こんなひどいことを言われるなら、婚の方がいいわ」
慎吾さんの父母の顔から、血の気が引いていった。
慎吾さんのお父さんは、慌てた様子でを乗りした。
「いや、こちらは冗談ではなく、本気で言っているんですよ」
「こちらも本気で言っています」
奈々ちゃんは、はっきりとそう返した。
私はさすがにになり、奈々ちゃんを見た。
「奈々ちゃん、本当にいいの?」
奈々ちゃんは私の方を向き、申し訳なさそうに微笑んだ。
「ごめんね、お姉ちゃん。ずっとこんなこと言われてたの?」