"中卒嫁の逆転婚礼" 第3話
「専学ですか?」
「いえ。学を卒業して、すぐに働き始めました」
その瞬、慎吾さんの父母の表が凍った。
慎吾さんも同じだった。
空気が気にえるのを肌でじた。
「それはまた……珍しいですね」
慎吾さんのお父さんは、苦笑いを浮かべた。
私は答えるべきではなかったのかもしれないと、しだけ悔した。
けれど、お義父さんとお義母さんが私を気にする様子を見せなかったことだけが救いだった。
私の顔が悪くなっていたのだろう。すぐにお義父さんが助け舟をしてくれた。
「佐ちゃんはね、若い頃から働いて、自分で事業をちげているんですよ」
慎吾さんのお父さんは、興があるのかないのか分からない顔で「ほう」と言った。
「どんなお仕事を?」
「フラワーアレンジメントを販売しています。舗は持たず、インターネット通販がですが、結婚式や卒業式、イベントのではありがたいことにご注文をいただいています」
私がそう答えると、お義母さんもすぐに続けてくれた。
「本当にきれいなものを作るのよ。うちにも飾ってあるけれど、お客様にもよく褒められるの」
お義父さんも頷いた。
「収入もしっかりしていてね。おかげでうちも助かっているんです。佐ちゃんは本当に頑張りで、私たちは尊敬しています」
その言葉に、私はし照れた。
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けれど慎吾さんのお父さんの反応はたかった。
「ああ、素敵ですね」
見事な棒読みだった。
私の仕事の内容には興がないことが、はっきり分かった。結局、慎吾さんの族が私の話を広げることはなく、すぐに話題は変えられてしまった。
将来子どもがまれたらどんな習い事をさせたいか。
奈々ちゃんの得科目は何だったか。
幼児教育は何歳から始めるべきか。
息が詰まりそうな話題ばかりが続いた。
その、私は慎吾さんの族に全く良い印象を持てないまま、挨拶のを終えた。
慎吾さんたちを見送った、玄関先で奈々ちゃんがぽつんと言った。
「ごめんね、佐ちゃん」
私は驚いて振り返った。
「え、なんで謝るの?」
「学歴の話ばっかりで嫌だったでしょう」
奈々ちゃんの顔には、申し訳なさがにじんでいた。
「全然丈夫だよ。気にしないで」
私は笑って答えた。
けれど本当は、丈夫ではなかった。
あのたちが族になるのはまずいのではないか。正直、そうっていた。
ただ、その点で慎吾さんの族がよくっていないのは、私だけだった。奈々ちゃんや義両親のことまで悪く言っているわけではない。
私が「この結婚はやめた方がいい」と言うのは、筋違いだとった。
それに、卒であることを見される経験は、今までにもあった。
私は学卒業、すぐに働き始めた。
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実の母が病気がちだったからだ。父はろくに働かず、私のには弟や妹が4いた。
最終に母と父は婚した。けれど、母の体はく、幼い弟妹を養い育てる役割は自然と私に回ってきた。
勉する暇があったらおが欲しい。
当の私は本気でそうっていた。
バイト先でりったにフラワーアレンジメントを習い、20代で起業した。苦労はかったが、このに悔はない。
けれど、ああいう学歴主義のたちには、私のなど理解できないのだろう。
そうい、私は適度にして付きっていくしかないと自分に言い聞かせた。
それがに、もっときな騒につながるともらずに。
それから慎吾さんと奈々ちゃんは、ほぼ毎週末、義実に顔をすようになった。
おかげで、私も慎吾さんと顔をわせる会が増えた。
最初の挨拶でじた違は、残ながら私のい過ごしではなかった。
ある、私が台所へお茶を取りにったのことだった。
リビングから慎吾さんとお義父さんの声が聞こえてきた。
「そういえば、お父さんはく会社勤めをされていたんですよね。どちらの学をられたんですか?」
また学歴の話か。
私は湯呑みを取りながら、わず肩を落とした。
「元の私学だよ」
お義父さんはいつもの調子で穏やかに答えた。
「そうですか。お姉さんは学をていないとのことでしたが、お兄さんと結婚されるに気にならなかったんですか?」