"中卒の兄、結婚式で覚醒す" 第21話
敬は義父の汚れたが掴んでいる自分のズボン裾を、静かに引き剥がした。
本当に恥ずかしいのはどちらでしょう。
会にいる何百もの列席者が息をするのも忘れ、敬の続く言葉を待った。
シャンデリアのの、微だにせずつ敬の姿は誰よりも潔で、圧倒なオーラを放っていた。
肩きだけでしかを測れないじゃないですかね。
最の撃。
その言葉は義父に残された最の自尊を々に打ち砕いた。
ああ、ああ。
義父の顔から全ての表が抜け落ちた。
完全に打ちのめされ、自分のそのものを全否定され、反論する言葉などもう文字も残されていなかった。
彼は力なくそのに崩れ落ち、ただ虚空を見つめてヒクヒクと肩を震わせることしかできなくなった。
完全な沈黙。が折れ、社会なを迎えた瞬だった。
会もまたい静けさに支配されていた。
エリート識に凝り固まり、敬をあざ笑っていた列席者たちは皆、敬の言葉が義父だけでなく自分たち自にも突き刺さっていることを痛し、顔からがるほどの恥ずかしさに俯いていた。
卒だと侮っていた男が、実は誰よりもとしての真の価値をっていた。
それに比べ、学歴を板にしていた自分たちのなんとさく恥ずかしいことか。
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そのだった。
会のな両き扉が、側から勢いよくけ放たれた。
なんだ?
驚いて振り返る列席者たちのに現れたのは、濃い黒スーツにを包み鋭いを放つ数の男たちだった。
彼らの胸元にはのバッジが鈍くっている。
京国税局査察部です。成功総病院の院はどこですか?
先の位のい捜査員が、会内に響き渡る声で問いかけた。
その声に、にへたり込んでいた義父がびくりと弾きねがった。
来た、マルサが……
義父はちがろうとしたが腰が抜け、無様にを擦り回ることしかできない。
あそこにいます、あいつが院です。
先ほどまで義父に媚びへつらっていた取り巻き教授が、先に義父を指差した。
の保のためなら、恩すら瞬で売り渡す。
それが義父が築きげてきたっぺらい関係の結末だった。
捜査員たちが斉に義父の元へ駆け寄り、その両腕をがっちり抑え込んだ。
成功総病院院ですね。法税法違反及び巨額脱税の容疑で、本から制捜査に入らせていただきます。同願います。
ち、違う!私はやっていない。経理が勝にやったんだ、私は騙されたんだ!
見苦しく泣き散らす義父だったが、静な捜査員たちには全く通用しなかった。
見苦しいですよ、院。証拠はすべて押収済みです。
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詳しい話は署の方でじっくり聞かせてもらいますから。
嫌だ!話せ!私はエリートだぞ。こんな底辺の犯罪者みたいな扱いを受ける筋いはない!
最まで「エリート」という言葉にしがみつきながら、義父は両脇を抱えられ、をずるずると引きずられていく。
優馬、、助けてくれ!
の扉へ引きずられながら義父は血った目で族に救いを求めた。
しかし優馬もも、ただややかな目でそのろ姿を見送るだけだった。
自業自得。この結末は彼自が招いたものなのだから。
やがてな扉が再び閉ざされ、義父の切ない叫び声は完全に遮断された。
巨な嵐が過ぎったのように、会には気なほどの静寂が残された。
絶対な支配者だった義父は連され、偽りのエリートたちの宴は完全に崩壊した。
しかしこれで終わりではなかった。
権力の頂点にっていた男が消えた今、この会に残る々の運命を握っているのは、ただ、敬社だ。
静寂を破り、恐る恐る声をかけてきたのは義父の取り巻き、ベテラン医師のだった。
彼は油汗をかきながら腰を曲げ、敬にすり寄ってきた。
社、あの院には々も困っていたんですよ。ついに罰がりましたね、はは。
わざとらしい笑いを浮かべる医師。
それに続くように、の病院関係者や教授たちも次々と敬の周囲に群がり始めた。
社、実は私の務める学病院でもしい医療物流ネットワークの構築を検討しておりまして、非クラウンロジスティクス様にお願いできないかと。