"中卒の兄、結婚式で覚醒す" 第17話
な、なんで?
が社が運んでいるのはただの荷物ではありません。
血液、命に関わる特殊医薬品、そして術に必な精密器です。
そのつが遅れるだけで、救えるはずの命が失われるかもしれない。
敬は会にいる全てのに聞かせるように、ゆっくりとはっきりと告げた。
内同士の個ないざこざや、くだらないプライドのぶつかりいのために、罪のない患者さんたちの命を危険にさらす。
私がそんな卑劣な真似をするに見えますか?
その言葉は義父の胸を鋭い刃のように貫いた。
あ、義父の唇が激しく震えた。
敬は続ける。
権力というものは誰かを見したり、自分に従わない者を脅迫したりするために使うものではありません。
きな力を持てば持つほど、その力は誰かを守るために使われなければならない。
私はのをいつくばってきてきたで、そのことだけは骨の髄まで叩き込まれてきました。
敬は義父のにゆっくりとしゃがみ込み、線のさをわせた。
あなたは先ほど私に向かって、社会にれば学歴が全てだと言いましたね。
確かに学歴は努力の証であり素らしいものです。
優馬が必に勉してに入れたその称号を、私は誰よりも誇りにっています。
敬はそっと自分の両を義父の目のに差しした。
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関節は太く、皮膚はく、無数の傷跡や豆の跡が刻み込まれた。
決して美しいとは言えない荒れただった。
しかし学歴がないからと言って、そののきてきたまでが底辺だとは限らない。
私はこのでトラックのハンドルを握り、のも台のも荷物を運び続けました。
この荒れたで族を守り、何千もの従業員の活を守ってきた。私のの誇りです。
静かな、しかし揺るぎないプライドに満ちた言葉が会の隅々にまで響いていく。
私から見れば。
敬は義父の目をまっすぐに見据えた。
派な肩きを持ちながら、自分のい通りにならない者を平気で切り捨て、学歴というっぺらな物差しでしかの価値を測れないあなたの方が、よほど貧しく底辺のき方をしているように見えますよ。
義父は顔を真っ赤にして息を詰まらせた。
それはクラウンロジスティクスの社としての権力による圧力ではなかった。
のとしての圧倒な器の違い。
徳も品性も、としての芯も、自分は目のにいるこの卒の男の元にも及ばない。
その残酷すぎる真実を、義父はまれて初めて骨の奥まで突きつけられたのだ。
今まで自分が誇ってきた病院という肩きも名声も、敬の潔な魂のではただのっぽい飾りに過ぎなかった。
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義父はもう言い訳の言葉つ発することができなかった。
ただポロポロと涙を流し、そのに崩れ落ちるように泣き崩れることしかできなかった。
なんと器のきい方だ。
静まり返った会のどこかで誰かがぽつりと呟いた。
ああ、それに比べて々はなんという恥ずかしい振るいを。
見や肩きだけで判断し、あんなにも尊い方をあざ笑ってしまった。
先ほどまで敬を見していたエリート医師たちや列席の々が次々と顔を覆い、悔のに苛まれていた。
彼らは気づいたのだ。
本当の流とは、着ているや学歴で決まるものではない。
いかなるも者をいやり、自分の犠牲を惜しまず、揺ぎない信を持ってきる姿勢そのものなのだと。
兄ちゃん。
メインテーブルのくで優馬は両で顔を覆い、声を殺して泣いていた。
隣につもボロボロと涙をこぼしながら夫の背を優しくさすっている。
優馬は誇らしかった。
自分が誰よりも尊敬し憧れ続けてきた兄が、今この瞬会にいる誰よりも輝いて見えた。
自分のを削ってまで族を支え、そして今度は何千もの々の活と命を物流という形で支えている。
そんな偉な兄を持つ自分は世界で番幸せな弟だとからえた。
敬はちがると穏やかな目をした。
これ以義父を責めるつもりはなかった。