"父の残した翼" 第1話
あなた毎晩お母様の部で何をされているの?私の問いに夫は瞬だけきを止め、すぐにの良さそうな笑みを浮かべた。
「母さんのマッサージだよ。夜になるとが痛むって言うから」
汗だくの額をの甲で拭いながら言う夫の言葉を私は信じることができなかった。
結婚してまだ 1 週、幸せの絶頂にいるはずの私は毎晩言いようのないに襲われていた。
そしてこの私はまだらなかったのだ。
3 、こののリビングで再された映像を見て私がそのに崩れ落ちることになるなんて。
私の名は佐藤ゆみ。佐藤ゆみ、32 歳。1 週に 3 歳の直と結婚したばかりだ。
1 に父をなくし、そのしみがなったのか、母の佐藤け子が脳梗塞で倒れた。
幸い命に別状はなかったものの半に麻痺が残り、子での活を余儀なくされた。
それ以来、私は会社をやめ、実で母の介護をしながら暮らしてきた。
もう結婚は諦めようとっていた矢先に会ったのが直さんだった。
彼は私の事を全て理解したで「ゆみさんと緒に母さんを支えたい」と言ってくれた。
母との同居も彼の方から提案してくれたのだ。
彼の優しさに触れる度、私はくなった父のおかげだと何度もったのかもしれない。
穏やかで誠実で、何よりも族を切にする。
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直さんとならきっと温かい庭を築ける。私はそう信じて疑わなかった。
結婚式は母の体調を考えて親族だけでささやかにった。
式の最、子ので涙を流してんでくれた母の顔を見て私も胸がいっぱいになった。
「ゆみ、よかったのよ。直さんみたいな素敵な方があなたを選んでくれて、お母さん本当に嬉しい」
そう言って私のを々しくく握りしめた母。
その隣で直さんは力く宣言してくれた。
「母さん、僕が必ずゆみさんと母さんを幸せにします」
その言葉に嘘はないと私はから信じていた。この 1 週が経つまでは。
異変が起きたのは結婚活が始まって 3 目の夜だった。
私と直さんは父が残してくれたこの実で母のけ子と 3 で暮らしている。
母の部は階の私たち夫婦の寝の隣だ。
夜の 10 頃、母の介護を終えて寝に戻ると、直さんは「ちょっと母さんの様子を見てくるよ」と言って部をていった。
私は特に気にも止めず、疲れていたこともあって先にベッドに入った。
しかし夜の 12 を過ぎても直さんは戻ってこなかった。
配になって廊にてみると、隣の母の部のドアが固く閉ざされている。
を澄ましてみたが、物音つ聞こえない。
審にいながらも「きっと母の話相にでもなっているのだろう」
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と自分に言い聞かせ、再びベッドに戻った。
それから 1 ほど経っただろうか。寝のドアが静かにき、直さんが入ってきた。
その姿を見て私は息をんだ。
彼の額には玉のような汗がびっしりと浮かび、着ていた T シャツは背までぐっしょりと濡れている。
まるで激しい運でもしてきたかのようだ。
「あなた、どうしたの?そんなに汗をかいて」
「ああ、ごめん。起こしたかな?母さんのがむくんで痛むって言うから、ずっとマッサージをしていたんだ。しでも楽になればとって、ついしちゃって」
そう言って彼は困ったように笑った。
そのは私も彼の言葉を素直に信じた。
なんて優しいなのだろう。実の息子でもなかなかできることじゃない。
私は本当に素らしいと結婚したんだと。
しかしその解な来事は次のも、その次のも続いた。
毎晩決まって 10 過ぎになると直さんは母の部へ向かう。
そして必ず夜の 1 頃に汗だくになって戻ってくるのだ。
何度か私も母の部を尋ねようとしたけれど、なぜかドアには内側から鍵がかけられている。
ノックをしても返事はない。
ただドアの隙から折り、母の押し殺したようなさなうめき声のようなものが聞こえてくることがあった。
それは苦しんでいるようにも、何かに耐えているようにも聞こえた。
「お母さん、夜はよく眠れてる?直さんが毎晩マッサージしてくれているみたいだけど」