"他人と言われた娘" 第1話
「私はあんたのおばあちゃんじゃないよ。学歴の嫁からまれたおなんてなんだから、プレゼントなんてあるわけないだろ」
姑のその声が、義実のリビングにたく響いた。
その瞬、5歳の娘・マリのさな顔が固まった。さっきまでクリスマスツリーの飾りを見げて嬉しそうに笑っていたのに、今は何が起きたのか分からないという顔で、姑を見つめている。
「おばあちゃん……マリのは?」
ただそう聞いただけだった。
男嫁の子どもたちは、姑からきれいに包装されたプレゼントをもらっていた。マリはそれを見て、自分にもあるのだとったのだろう。
けれど姑は、まるで汚いものを見るようにマリを睨みつけた。
「図々しいにも程があるよ。あんたはうちの孫じゃない」
次の瞬、マリはきな声で泣きした。
「ママ……なんでマリだけられるの?マリ、悪いことしたの?」
私はしゃがみ込み、震える娘を抱きしめた。さな背が私の腕ので震えている。その温かさをじた瞬、胸の奥で何かが切れた。
今まで私は、ずっとしてきた。
夫を産んでくれただから。いつか分かってくれるかもしれないから。私さえ黙っていれば、族の形は保てるかもしれないから。
でも、娘まで傷つけられて、それでも黙っている母親にはなれなかった。
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私はマリの涙をハンカチで拭い、姑を見た。
「分かりました。私たちがなら、それで結構です」
姑はで笑った。
「やっと分かったのかい」
私は静かにちがった。
「では、今はとして接します。さようなら、お母さん」
その言葉をにした、姑の顔に瞬だけ戸惑いがった。けれど私はもう、そこに残る気はなかった。
マリのを握り、荷物を持って玄関へ向かった。
背では姑がまだ何か言っていたが、もうには入らなかった。
このを境に、私は姑との関係を終わらせると決めた。
そしてその決断が、翌、姑自の活をきく崩すことになるとは、あのの姑はまだらなかった。
私は森川美優、35歳。
28歳のに夫の幸介と結婚し、今は夫と5歳の娘・マリとの3で暮らしている。マリは保育園に通っていて、毎だらけになりながら元気に帰ってくる。そんな娘の笑顔に癒やされながら、私は忙しい毎を送っていた。
けれど、私のは最初から穏やかだったわけではない。
私は学の頃から、児童養護施設で育った。父は私が幼い頃に交通事故でくなり、母が女ひとつで必に育ててくれた。けれど無理がたたったのだろう。私が学の、母もくなった。
頼れる親戚はいなかった。
だから私は、児童養護施設に入ることになった。
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施設には、私よりさな子どもたちがたくさんいた。みんな、それぞれ庭に事を抱えていた。だった私は、自然とさな子たちの面倒を見るようになった。
を卒業すると、私はひとつで独りちした。
いアパートで1暮らしを始め、会社で事務の仕事に就いた。施設での賑やかな活から転し、部に帰れば誰もいない。夜になると、蔵庫の音だけがやけにきく聞こえた。
寂しくないと言えば嘘になる。
けれど、活を続けるうちに、しずつにも余裕ができていった。
そんなある、仕事帰りにたまたま結婚式のを通りかかった。
ちょうど式を終えたばかりの嫁と婿が、チャペルの階段をりてくるところだった。嫁は真っなウェディングドレスをまとい、夕方のを受けて輝いていた。
その姿を見た瞬、私の目のがぱっとづいたような気がした。
今まで、ただきていくことに必だった。
けれどその、初めてはっきりとしたができた。
「私も、誰かをこんなふうに輝かせるを作りたい」
それから私は、働きながらおを貯め、飾の専学に通った。簡単なではなかった。昼は働き、夜は縫製やデザインの勉をした。眠れないも、指に針を刺して泣きそうになったもあった。
それでも諦めなかった。
そして数、施設で緒に育った仲の結婚式で、私は1の男性と会った。
それが今の夫、森川幸介だった。
「婦さんのご友ですか?」