"銀の指輪の応募者" 第18話
健の顔から、さっきまでの傲な笑みがスッと消えた。背に控える刑事たちの威圧なに、瞬だけ戸惑いを見せたが、まだ状況を全く把握できていない彼は、ぎこちない笑みを浮かべて姉を見げた。
「なんだい、姉さん。この物々しいたちは体何だ? まさか、俺への継者発表のに、お抱えの警備員でも連れてきたわけじゃないだろう?」
ふみ子は、切答えなかった。彼女は健の顔を真正面から、まるで汚物を見るかのような徹な目で見つめると、に持っていた分い類の束を、健の顔面に向かって容赦なく力杯投げつけた。
バサササササッ!
8億円の、血に染まった裏の送細、元刑事の自調、犯罪のかぬ証拠類の数々が、ホールの央で方方へと派にい散った。健の顔のに、級なテーブルのに、のに、い類がまるで呪いの吹のように激しくい踊る。
集まっていた役員や株主たちが、驚愕の表を浮かべながら、に落ちてきた類を慌てて拾いげ、その内容を読み始めた。
「な、何だこれは……川専務が裏を……!?」
内が騒然とする、ふみ子はスーツのポケットから、厳に封印されたあの遺伝子検査結果を取りし、健の目ののテーブルへと乱暴に叩きつけた。そして、25の全てのりと、母親としての凄みを込めた、魂の声をホール全体に響き渡らせた。
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「私の……本当の継者は! 25に、あんたが汚い謀を企てて、この世から消そうとした、私の実の息子……勇気よ! 私の息子は、あんたのい通りにんだりしなかった! 奇跡に、きていたのよ!!」
ホールが、瞬にして凍りついた。
株主たちのがあんぐりといたまま固まる。健の顔から、瞬にして全ての血の気がサーッと引き、気へと変していった。テーブルのに叩きつけられた『親子致確率99.99%』の遺伝子検査結果、そして自分の秘密座から引きされた8億円の確な裏送細を目の当たりにした健は、まるで枯れ葉のように全をガタガタと震わせ始めた。
しかし、彼は最の最まで往際が悪かった。健は類を狂ったようにで破り捨て、席から勢いよくちがって叫び散らした。
「これは謀だ! 全部、この老婆が俺を追いすために捏造した偽物の類だ! 姉さんは、俺をおとしめるために完全に狂って、芝居をしているんだよ!」
から汚い唾をばしながら、狂気じみた形相で喚き散らす健の顔は、あまりの恐怖で醜く歪んでいた。しかし、ふみ子は眉つかさなかった。ただたく、背の刑事たちに向かって、顎を度だけ引いて図をした。
「川健容疑者。25の殺罪、および殺未遂罪、並びに贈収賄の容疑で逮捕する」
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刑事たちが即座に健に突し、彼の両腕を乱暴にねじげて、理ののへと叩きつけるように押さえつけた。
「カチッ!」
たい錠が、鈍い属音をてて、健の両首に容赦なくはめられた。健はに顔を押し付けられたまま、最まで「せ! 俺は専務だぞ!」と狂ったように叫び声をげて暴れたが、刑事たちの鋼のような力から逃れることなど、到底できるはずもなかった。
彼の自だったのカフスボタンがに弾けんで転がり、先ほどまで勝利の笑みを浮かべていたその顔は、今や理のに擦りつけられ、たい汗とでぐちゃぐちゃになっていた。
ホールの入り側では、事に柄を確保され、錠をかけられたまま連れてこられていた、あの元刑事の斎藤の姿もあった。2は並んで刑事たちに力ずくで連され、ホールのへと引きずりされていった。
彼らの姿が消えていく瞬、それまでの静寂を破り、役員や株主たちのから湧きがったのは、驚愕の声ではなく、あまりにも悪質な犯罪が暴かれたことへのり、そして、まるで極の炭酸料をみ干したかのような、圧倒に爽な、割れんばかりの拍の嵐だった。
健の虚しい叫び声が、廊の向こうへとざかり、やがて完全に消えった。
ふみ子はホールの真んにち、微だにしなかった。