"何もしない姑の居場所" 第7話
だったが、族は笑ってべた。
3ヶ、帆は会社にしずつ慣れてきた。朝起きるのはまだつらい。ミスもある。それでも、以よりを向けるようになった。
やがて正社員の話もた。
「お母さん、正社員になれるかもしれない」
帆が報告すると、リナは泣きそうな顔で娘を抱きしめた。
絹も言った。
「帆、頑張ったわね」
しかし、すべてが順調だったわけではない。
絹は々サボった。帆も々休んだ。リナも仕事で限界になり、で泣くがあった。
そんな、絹と帆はお茶を入れてくれた。
「リナさん、丈夫?」
「丈夫じゃない」
「そうよね。つらいわよね」
誰も完璧ではない。
けれど、以とは違った。
1で抱え込むではなくなっていた。
半、絹と帆はリビングでテレビを見ていた。
「私たち、変わったかしら?」
絹が聞くと、帆はし考えて答えた。
「10%くらい」
「ないわね」
2は笑った。
「でも10%でも、変わったのよね」
「うん。それって、すごいことかも」
その会話を、リナは台所で聞いていた。
幸せかと聞かれたら、まだ分からない。
でも、以よりはまし。
それだけでも、分なのかもしれない。
1が経った。
絹は70歳になった。帆は正社員になり、リナは35歳になった。俊也は週末の料理がしだけ達した。
あるの、絹が邪を引いた。最初は「ただの邪」と言っていたが、2週経っても咳が止まらず、もがらなかった。
広告
救急で運ばれ、診断は肺炎だった。
「齢ですし、入院が必です」
医師に言われ、リナは頷いた。
しかし、仕事、事、病院の付き添いがなり、今度はリナが倒れた。過労だった。
「1で抱え込まないでください」
医師に言われ、リナは涙をこぼした。
に帰ると、帆が待っていた。
「お母さん、丈夫?」
「丈夫よ」
「丈夫じゃないでしょう。倒れたんでしょう」
帆は母を抱きしめた。
「お母さんがいなくなったら、私どうすればいいの?」
その夜、族で話しった。
俊也は休を取り、帆は勤務を相談した。朝はリナ、昼は俊也、夕方は帆。3で分担して病院に通うことにした。
病で絹は泣いた。
「みんな来てくれたの」
俊也は言った。
「当たりだろ。母さんは族なんだから」
退院、絹は施設に入ろうかと考えた。自分がいることで、族に迷惑をかけているとったからだ。
リナは絹の部へき、正面に座った。
「お義母さん自は、ここにいたいんですか? 施設にきたいんですか?」
絹はい沈黙のあと、さく言った。
「ここにいたい。みんなと緒にいたい」
「なら、いてください」
「でも変でしょう」
「変です。でも、いてほしいです」
絹は声をげて泣いた。
が来た。
桜の季節、族で公園へった。4で写真を撮った。完璧な笑顔ではない。疲れた顔もある。けれど、本物の笑顔だった。
広告
その、帆は会社を辞め、フリーランスのデザイナーになると決めた。リナは最初、「また逃げるのか」といかけた。けれど、娘の目を見て分かった。
これは逃げではない。
自分で選ぶための歩だった。
絹はリナに料理を教わり始めた。昔は義務だった料理が、今はし楽しかった。族が「美しい」と言ってくれる。それが嬉しかった。
2が経ち、帆は定したフリーランスになった。リナは管理職になり、俊也は事をする夫になった。絹は72歳になり、料理も掃除もしずつできるようになった。
ある、帆が恋を連れてきた。
田優太という、優しそうな青だった。
数、帆は結婚し、やがて娘の結を産んだ。
絹は結を抱きながら、涙をこぼした。
「さい。温かい」
75歳になった絹は、もう若い頃のようにはけない。赤ん坊をく抱くこともできない。けれど、をうことはできた。本を読んであげることはできた。
「おばあちゃん、好き」
結が言った、絹はきていてよかったとった。
リナは記にいた。
昔、絹を“何もしない姑”だとっていた。けれど今は違う。誰かが誰かに頼り、誰かが誰かを支える。それは寄ではなく、族なのだと。
さらに数が過ぎ、絹は80歳になった。
腰はくなり、言葉もゆっくりになった。けれど、リビングにはいつも彼女の居所があった。
結は学での来事を絹に話し、絹はゆっくり頷きながら聞いた。
ある、絹はリナのを握った。
「リナさん、ありがとう」
「お義母さん、急にどうしたんですか?」
「いつぬか分からないから。今のうちに言っておきたくて」
絹はゆっくり続けた。
「あなたがいなかったら、私は変われなかった。本当にありがとう」
リナは涙を浮かべた。
「こちらこそ、ありがとうございます。お義母さんがいてくれて、族ってこういうものなんだって分かりました」
が来て、が来て、が来て、が来る。
そして、またが来る。
族は完璧ではなかった。何度もつまずき、何度も退した。それでも、しずつにんだ。
リビングではテレビが流れ、テーブルにはお菓子が置かれている。誰かが笑い、誰かがため息をつき、々喧嘩もする。
けれど、そこには確かに族がいた。
完全でも、温かい族が。
― 完 ―