"何もしない姑の居場所" 第5話
「お義母さん、泡はで流さないと」
「え、これで終わりじゃないの?」
絹は恥ずかしそうに笑った。
「ごめんなさい。やり方が分からなくて」
リナは横にった。
「教えます。緒にやりましょう」
2は並んで器を洗った。リナが順を説し、絹がその通りにやる。遅いし、器用だった。でも2でやっていた。
その、帆も部からてきた。
「おばあちゃんが事してる」
「当たりのことなのにね」
絹は照れくさそうに言った。
「でもすごい」
帆はテーブルに座りながら言った。
「私も何かやる。朝ご飯作る」
「帆、料理できるの?」
「できない。でもやる。教えて」
リナは戸惑った。けれど娘の目は真剣だった。
「分かった。じゃあ卵焼きから」
母と娘は台所に並んだ。絹はしれて2を見ていた。卵を割る帆のはぎこちなかったが、リナが「」と言うと、帆はし嬉しそうに笑った。
けれど、変化は簡単ではなかった。
3、絹はまた元に戻った。
朝10に起き、リビングへき、ソファに座った。体がい。気力がない。3頑張っただけで疲れてしまった。
夕方、リナが帰宅すると、シンクには器が積まれていた。
夕の席でリナは静かに言った。
「お義母さん、今、器洗っていませんね」
「ごめんなさい。疲れて」
「1にいて、疲れたんですか?」
リナの声がたくなった。
絹は何も言えなかった。
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「私、毎働いてます。それでも事をしています。3頑張っただけで終わりですか?」
「リナさん」
俊也が止めようとした。
「黙ってて」
リナは夫を睨んだ。
「あなたもいつも庇うだけ。何も変えようとしない」
リナは箸を置き、ちがった。
「もういい」
寝のドアが閉まる音がした。
その夜、帆がリナの部をノックした。
「お母さん」
ベッドに座るリナの隣へ、帆はそっと腰をろした。
「私もまた部に閉じこもってた。朝ご飯作ったの1回だけ。その、何もしてない」
リナは顔を覆った。
「期待しちゃったの。変わるかもって。でも無理だった。はそんなに簡単に変わらないって分かってたのに」
帆は母を抱きしめた。
「お母さんはバカじゃない。ずっと頑張ってた。でも、もう無理しないで」
その頃、絹は1でリビングにいた。テレビはついていない。
「私、何やってるんだろう」
絹は呟いた。
せっかくチャンスをもらったのに、できなかった。
けなかった。
若い頃はもっと頑張れた。仕事も事も育児も、全部やった。けれど今は器1つ洗うのも続かない。
を取ったから。
いや、違う。
絹には分かっていた。
5、何もしなかったから、体もも怠け癖がついたのだ。
彼女はちがり、台所へ向かった。シンクの器を見つめる。
「洗わなきゃ」
スポンジ、洗剤、。
リナに教わった順をいしながら、1つ、2つ、3つと洗った。
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全部洗い、拭き、器棚へ戻した。
「できた」
誰にも見られていない。
それでも、絹はし笑った。
翌朝、リナが台所へくと、シンクは空だった。
リビングで絹に尋ねる。
「お義母さん、昨夜、器を洗いました?」
「うん。洗わなきゃいけないでしょう」
「ありがとうございます」
「謝らなくていいわ。当たりのことだもの」
絹は照れくさそうに笑った。
「まだにできないけど」
リナはそのさな歩が、確かに嬉しかった。
1週、帆はハローワークへった。
見らぬたちがいる待で、臓はく打っていた。周りのたちが、みんな自分よりちゃんとしているように見えた。
職員に職務経歴を聞かれ、帆は正直に答えた。
「半、3ヶ、1ヶ、2ヶです」
担当者はし困った顔をした。
「率直に言いますね。この職歴だと採用は厳しいです」
帆は覚悟していた。けれど、言葉にされるとつらかった。
「まず、なぜ続かないのか考えましょう。仕事がわないのか、関係なのか、朝起きられないのか」
「全部です」
担当者は頷いた。
「では、まず活リズムをえるところから始めましょう」
その頃、絹も毎しずつ事をするようになった。器を洗う。テーブルを拭く。々、掃除をかける。
できないもあった。体がい、気分が乗らない。そういうはソファに戻ってテレビを見た。
「だめね」
絹は自分を責めた。
でも翌はまた頑張った。
その繰り返しだった。