"何もしない姑の居場所" 第4話
リビングへくと、絹と帆が並んでテレビを見ていた。
「おはよう」
リナが言うと、絹が答えた。
「おはよう」
帆は画面を見たままさく頷いた。
そのから、絹と帆は妙に仲良くなった。朝10になると2でリビングへ現れ、並んでソファに座る。ワイドショー、バラエティ、ドラマの再放送を眺める。々、同じ面で笑う。
昼も緒にべた。絹が蔵庫からリナの作り置きを取りし、帆が子レンジで温める。2で卓に座る。
「帆、変だったの?」
絹が聞く。
「分からない」
「そう」
絹は詮索しなかった。頑張れとも言わなかった。ただ「そう」とだけ言う。その距が、帆には居よかった。
母は説教する。
父は配する。
でも祖母は、何も責めない。
ある曜の午、リナは買い物から帰った。台所で荷物を置きながら、リビングの会話がに入った。
「おばあちゃんは、“お義母さん”って呼ばれるの、嫌じゃない?」
帆が聞いた。
「別に慣れたわ」
「でも、なんか距じない?」
「そうね。でもしょうがないのよ。嫁と姑だもの」
し沈黙があった。
やがて絹が言った。
「リナさんは、私のこと好きじゃないとうわ」
帆は黙った。
「当たりよ。私、何もしないもの。リナさんに全部やらせてる。それは分かってるのよ」
リナは台所でを止めた。
「でもね、私、怖いの」
絹の声がしさくなった。
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「1が寂しいの。だからここにいるの。息子のそばに、誰かのそばに」
「おばあちゃん……」
「でも、リナさんに迷惑をかけてる。それも分かってる。だから、いつかてかなきゃってってる。でも勇気がない」
リナはち尽くした。
絹がそんなことをっていたなんて、らなかった。
しばらくして、帆がをいた。
「私も怖い。社会が、が、全部怖い。仕事にくのが怖い。朝起きるのが怖い。と話すのが怖い」
帆の声が震えていた。
「お母さんはい。毎働いて、事して、文句も言わない。すごいってう。でも私は無理。お母さんみたいにはできない」
絹は静かに言った。
「無理しなくてもいいのよ」
「無理してないよ。本当に無理なの」
帆は泣き始めた。
「何度も仕事を始めて、何度も辞めて、もう自分が嫌になる」
絹は帆の背をさすった。
「私も若い頃、何度も辞めたいってったわ」
「でも辞めなかったんでしょう」
「辞められなかっただけよ。勇気がなくて」
「勇気?」
「を変える勇気。あなたはそれを何度もしている。すごいことよ」
リナは涙がそうになった。
娘はこんなにも苦しんでいた。
そして姑も、ただ怠けているだけではなかった。
リナは台所からた。
「聞いてました」
2は驚いて振り返った。
「ごめんなさい。盗み聞きするつもりじゃなかった。でも聞こえちゃった」
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リナは2のにった。
「私、今までずっとしていました。お義母さんが何もしてくれなくても、帆が仕事を辞めても、全部私がやればいいって。でも辛かった。すごく辛かった」
絹がちがろうとした。
「リナさん、ごめんなさい」
帆もさく言った。
「お母さん、ごめん」
リナは首を振った。
「謝らないで。謝られても何も変わらない。私が欲しいのは謝罪じゃない」
彼女は2を見た。
「変わってほしいの。しでいい。しずつでいい」
絹と帆は黙って頷いた。
その夜、3はぎこちなくお茶を入れた。絹は急須の所も分からず、帆もお湯の量を違えた。できあがったお茶は濃すぎた。
それでもリナは湯みを受け取り、微笑んだ。
「おいしい」
「嘘」
帆が言った。
「嘘じゃないわ」
3はし笑った。
翌朝、絹は朝8に起きた。
いつもなら10まで寝ている。けれど今は違う。変わると言った。しでも。
台所にくと、昨夜の器がシンクに積まれていた。
「洗わなきゃ」
絹は器をに取った。しかし、どうやって洗えばいいのか分からない。スポンジはどこか。洗剤はどれか。
戸惑いながら引きしをけ、スポンジを見つけた。をし、洗剤をつけ、器を洗い始める。がね、洗剤はすぎる。それでも絹は続けた。
10分、リナが台所へ来た。
「お義母さん?」
絹は慌てて振り返った。
は泡だらけだった。
「おはよう。器、洗ってるの」
リナはシンクのを見た。器は応洗えているが、泡が残っている皿もある。