"鬼母の末路" 第3話
「預かるって……じゃあ活費はどうしてたんだ? お袋から毎いくらかもらっていたのか?」
「最初はに万円だけ渡しで……でも半には『無駄遣いがい』って万円に減らされて……からは『あんたも働きなさい』って、万円しか……」
「万円? ふざけるな。学のお遣いじゃないんだぞ」
「費を払うんだ。賃は私のパート代からなんとか……でも紗英がきくなって、や靴も必になって……費を削るしかなくて……最は費も払えなくなって……」
真由の言葉は涙で途切れ途切れだった。
「なんで……なんで俺に言わなかったんだ? スマホがあるだろう。メールでも話でも、言『助けて』って言ってくれれば、俺はすぐにんで帰ってきたのに」
俺がそう叫ぶと、真由は力なく首を振った。
「スマホは解約させられたの」
「は?」
「専業主婦にスマホなんて贅沢だって。計を管理するからって、お義母さんに目ので解約の続きをさせられて……固定話も料が払えなくて止まっちゃって……」
を鈍器で殴られたような衝撃だった。
今の代にスマホを取りげるなんて、それは単なる節約ではない。
部との連絡段を断つ、完全な隔と支配だ。
「公衆話からでもいい。でも良かった。どうして言えなかった?」
「言えるわけないじゃない!」
真由が突然顔をげて叫んだ。
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その落ちくぼんだ目には、い恐怖が刻み込まれていた。
「お義母さんに言われたの。『は今、で事な仕事をしている。あんたみたいなつまらない女の愚痴で、あの子の邪魔をするな』って。もししでもにチクったら、紗英を施設に入れて、あんたはこのから叩きすって……」
息が止まりそうだった。
俺は族のために、必で異国ので働いていた。
だが俺が稼いだは、族を潤すどころか、俺の母親が真由たちを支配し、痛めつけるための武器になっていたのだ。
「パパ、泣いてるの?」
さなが俺の頬に触れた。
見ると紗英が、痩せた顔で配そうに俺を見つめている。
「お湯ご飯、美しくなかったからパパってる? ごめんなさい。本当はね、お肉がべたかったの。でもママが、お湯ご飯は魔法のご飯だって……」
「紗英……」
俺はたまらず、紗英の細く軽い体をきつく抱きしめた。
骨と皮ばかりになった背から、このの飢えと寒さが伝わってくる。
「違うんだ。パパが……パパが馬鹿だったんだ。守るって約束したのに、本当にごめんな」
俺の目から、とめどなく涙が溢れた。
妻を孤させ、飢えさせ、娘にお湯をかけただけのご飯をべさせていた。
「あなたを困らせたくなかった」と、で獄のような苦しみに耐えさせてしまった。
俺は何のために働いていたんだ。
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何のためにきてきたんだ。
しみはやがて、どす黒いマグマのようなりへと変わっていった。
俺の族をここまで破壊したがいる。
「真由」
俺は涙を乱暴に拭い、ちがった。
「今から実にく。そのに、ここをよう。こんな寒い部にいたらんでしまう」
俺はすぐさまスマホを取りし、駅のビジネスホテルを予約した。
「真由、紗英。今すぐ着替えてくれ。こんな氷の箱みたいな部にいたら、本当に命に関わる」
財布からクレジットカードを取りし、真由の震えるに無理やり握らせた。
「ホテルに着いたらルームサービスでも、くのファミレスでもいい。とにかく番温かくて栄養のあるものを、で腹いっぱいべてくれ。俺はこのふざけた事態の落としをつけてくる」
「あなた、でも……」
怯えたようにためらう真由を、俺は半ば引にタクシーに乗せ、紗英と緒にホテルへ送りした。
温かいのシートに沈み込んだ瞬、紗英が「パパ、あったかいね」と健気に笑った。
そのひまわりのような笑顔が、俺のので燃えがるりの炎に、さらなる油を注いだ。
族を全な所へ避難させた、俺は別のタクシーに乗り込み、隣町にある実へと向かった。
夜のを回っていたが、実の派な軒は、全ての部のかりが煌々とついていた。
まるで盛なパーティーでもいているかのようなるさだ。
扉を抜け、インターホンを乱暴に押す。