"眠らされた妻の録音" 第12話
その言葉を聞いた瞬、私も泣いてしまいました。
が揺れたからではありません。
本当にしていたとしても、そのさと卑怯さがよりきかったという事実が、あまりにも惨めだったからです。
話を切った、私は暗い部で声を殺して泣きました。
その夜遅く、武田刑事からメッセージが届きました。
「田徹也が逃しました」
全の血が引きました。
翌朝、警察署へ向かうと、武田刑事の表はいつも以に険しいものでした。
「田はまだ内からていない能性があります。希さん、絶対に1で歩かないでください」
「私を狙うんですか」
「能性はいです」
そのの午、義母から話がありました。
「希さん、優斗が入院したの」
「え?」
「酔してを運転して、ガードレールに突っ込んだの。命に別状はないけれど、をく打ったらしいわ」
義母は泣いていました。
「事故を起こす直、誰かから話があったの。切った、狂ったようにでていったのよ」
すぐに田徹也のことがに浮かびました。
私は武田刑事と共に病院へ向かいました。
病に入ると、優斗はに包帯を巻いてベッドに横たわっていました。頬は痩せ、唇は青く、以の穏やかな夫の面はありませんでした。
私を見ると、彼の瞳が揺れました。
「希……」
武田刑事が尋ねました。
広告
「事故の直、誰から話を受けましたか」
優斗はしばらく黙っていましたが、やがて答えました。
「田徹也からです」
「何と言われましたか」
「逃を伝わないなら、持っているものを全部ばらすと」
「何をばらすと?」
優斗は私を見ました。
「あいつが、希の映像がすべてではないと言ったんだ。にも、数えきれないほどの女性たちの映像があるハードディスクを隠していると」
病の空気が凍りました。
警察が押収した証拠がすべてではなかったのです。
本当の獄を握っているのは、田徹也でした。
病をようとした、優斗が私を呼び止めました。
「希」
私はを止めました。
「もし警察より先に田に会ってしまったら、絶対に逃げろ」
彼の声は震えていました。
「あいつは言ったんだ。自分がすべてを失うなら、必ず1を連れにしてやると」
その夜、私の実のにい菊の束が置かれました。
束のには封筒があり、には今朝、警察署をる私をろから撮った写真が入っていました。
写真の裏には、乱暴な文字でこうかれていました。
「おが勝ったとうなよ」
警察はすぐに周囲へ警戒をめました。
しかしその夜、さらに悪いらせが入りました。
義母から話がありました。
「優斗が病院からいなくなったの」
「いなくなった?」
「トイレにくと言って、そのまま戻らないの」
広告
その直、私のスマートフォンに優斗から話が入りました。
「俺がどこにいるか、警察には絶対に言うな」
「優斗、今どこにいるの」
彼の息は荒く、声はかすれていました。
「田さんが俺を呼んだ。俺がかなければ、あいつがおを探しにく」
私はすぐにスピーカーへ切り替えました。
そばにいた武田刑事が叫びました。
「優斗さん、どこですか」
い沈黙の、優斗がさく言いました。
「倉庫……港の倉庫」
パトカーはのをりました。
倉庫のに着いた瞬、から銃声が響きました。
1発。
そして、もう1発。
私はそので凍りつきました。
警察官たちが倉庫へ突入します。
私は制止を振り切り、を追いました。
は湿って暗く、錆びたコンテナので、裸球が定に揺れていました。
優斗はきな箱にもたれかかり、腹部を押さえて倒れていました。い病は赤く染まっていました。
しれた所では、田徹也が警察官たちに押さえつけられていました。
彼は狂ったように笑っていました。
「全部あの女のせいだ。あいつさえいなければ、俺のは終わらなかったんだ」
私は彼を見ろしました。
自分が犯した罪を最まで認めず、自分こそが被害者だと信じ込む怪物。
それが、悪の本当の顔なのだといました。
優斗が苦しそうに顔をげ、私を見ました。
「お……怪はないか」
喉が詰まりました。
この男は私を獄へ突き落とした傍観者でした。
けれどにかけている今、最初に尋ねたのは私の否でした。