"妻のポーチから見つかった結婚指輪" 第11話
私がく言い返すとは待ってましたとばかりに型のボイスレコーダーをテーブルに置いた。
「ではしだけお聞かせしましょう。」
再ボタンが押される。
『義母さんの介護費用、もっと誠さんの遣いを削って面できないの?』
弓の声だ。
『そんなことできるわけないだろう。おがもっと働けばいいんだ。俺のにしするな。』
私の鳴り声がリビングに響き渡った。私はを疑った。確かに録音されているのは私の声だ。しかし私は弓にこんなことを言った覚えはない。
いや、待て。いした。これは、私がを買い換えたいと話した、弓が義母の将来の介護費用もあるし今はして欲しいと言ったの会話だ。私はその、『おのパート代をもっと貯に回してくれれば買えるのに』と冗談半分で言い返し、し論になった。それを巧みに切り張りし、言葉のを入れ替えて、私が介護費用を弓に押し付け暴言を吐いているように編集したのだ。健とならこれくらいの音声編集は朝飯だろう。
「この通り確な証拠がございます。これ以奥様を精神に追い詰めるようなら、私たちは即座に裁判を起こします。そうなればあなたの会社にもこの事実がれ渡ることになるでしょうね。」
は私の社会なを盾に脅しをかけてきた。
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弓は顔を覆って泣き真似をしている。その肩越しに見える彼女の目には切の涙が浮かんでおらず、ただややかに私を観察していた。
「条件はこちらです。」
は最に枚の類を突きつけてきた。婚協議。そこにかれていた条件を見て私は目のが真っ暗になるのをじた。
、佐藤誠は佐藤弓に対し、精神虐待の慰謝料として百万円を支払う。
、夫婦の共財産である自宅マンションは売却し、売却益は全て弓が受け取る。
、誠名義の座にある現残万千円は誠がそのまま所する。
、弓名義の座にある預は全て弓の特財産とし、財産分与の対象とする。
完璧な罠だ。私が貯めてきた千百万円はすでに田の座に移されている。この協議にサインすれば、彼らはそのを完全に法に自分たちのものにし、さらに慰謝料として私の今の料まで搾り取り、私をむもない文無しにして追いす算段なのだ。そして数ヶには田健と弓は私ので優雅な再婚活をスタートさせる。
「こんな条件めるわけがないだろう。」
私が声を震わせて言うとはたく浅い笑みを浮かべた。
「むまないの問題ではありません。あなたがこの協議にサインしないなら、私たちはにも裁判所に調を申して、同にあなたの会社に内容証を送り付けます。
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営業部というに、モラハラ夫というレッテルは致命だといますが。」
脅迫だ。彼らは私の点を全て把握し、逃げを完全に塞いでからこの話を持ちかけてきている。
「誠さん、お願い。」
「もう私を解放して。」 弓が絞りすような声で泣きついた。私は元が崩れ落ちるような覚ので、必に探偵の言葉をいしていた。 決して絶望しないでください。相が最もダメージを受けるタイミングで全てを暴する。それがあなたの復讐です。
そうだ。ここで私がり狂って暴れれば、彼らのモラハラ夫という捏造が真実を帯びてしまう。私は恐怖と絶望に打ちひしがれたれな夫を演じきらなければならない。
「わかった。しだけをくれ、突然のことでの理がつかない。」 私が力なくうなだれると、は満げに頷いた。
「よろしいでしょう。週の猶予を差しげます。来週の曜までにサインした協議を私の事務所まで郵送してください。それがない法な続きに入ります。」 は類をテーブルに残し、アタッシュケースを閉じた。 「では奥様、何かあればすぐにご連絡を。」 「ありがとうございます、先。」 が玄関をていく音を聞きながら、私はゆっくりと顔をげた。リビングには弓と私だけが残された。