"妻のポーチから見つかった結婚指輪" 第6話
そののための初期費用として、私はこのおを絶対に守り抜くつもりだった。
弓も義母のためにもしっかり貯しておかないとねと、緒に節約に協力してくれていると私は信じていた。だが現実は違った。
彼女は数ヶからインターネットバンキングの送限度額を操作し、しずつ田の座へと資を移していたのだ。
パソコンの履歴を調べると彼女が私の ID で夜にこっそりログインしていた形跡がいくつも残っていた。
りよりも先にいしみが胸を締めつけた。私が信じてきた族の絆は、こんなにも脆く簡単に踏みにじられるものだったのか。
私は画面の履歴と元のレシート、そしてダミーの通帳を全てスマートフォンで撮した。証拠は確実に集まりつつある。
しかしまだりない。弓と健がどのような計画で私からを奪い、どのようにして婚を成させようとしているのか、その全貌をる必がある。
彼らが私を責配偶者に仕てげるための罠を張っている能性もい。今は絶対に私が気づいていることを悟られてはならないのだ。
ふと玄関の鍵がく音がした。
「ただいま。誠さん、遅くなってごめんなさいね。」
弓の声が廊から響いた。私はパソコンの源を落とし、庫を閉めて急いでリビングのソファに座った。
広告
には適当な雑誌をき、リラックスしている夫を演じた。
「お帰り。同僚との事、楽しかったか。」
私が顔をげて尋ねると弓は頬をし赤らめ、辺だけの笑顔で頷いた。
「ええ、すごく楽しかったわ。みんな私のエリアマネージャー昇をお祝いしてくれて、つい引いちゃった。」
嘘だ。その頬の赤みも浮ついた声も同僚との事によるものではない。おそらく今もどこかで健と密会していたのだろう。
弓が私のそばを通りすぎてキッチンへ向かう、ふわりとの匂いが漂った。弓が普段使っている鹸のような爽やかなりではない。もっと甘く濃でどこか々しいりだった。張にくにはこんなはつけていなかったはずだ。
「誠さん、夕飯はちゃんとべた?蔵庫にお総菜入れておいたんだけど。」
弓はエプロンをつけながら私を気遣うような優しい声をした。
「ああ、美しくいただいたよ。ありがとう。弓も張けで疲れているだろうから、くお呂に入って休みなさい。」
「ふふ、ありがとう。誠さんって本当に優しいわね。」
弓は嬉しそうに微笑むと私の背越しにぽんとを置いた。そのが触れた瞬、私は背筋にゾッと嫌な触がるのをじたが、必に表筋をコントロールして穏やかな顔を保った。
広告
「弓が頑張っているんだから。これくらい当然だよ。」
私の言葉に弓は満げに頷き、洗面所へと向かった。彼女が洗面所のドアを閉めた、私はく息を吐きし、吐き気が込みげてくるのを抑えた。
自分がこれほどまでに演技ができるだとはわなかった。だがこれは戦争なのだ。私のと母の老を守るための、絶対に負けられない戦いなのだ。
私は静かにスマートフォンを取りした。仕事のを縫ってにかなければならない。メイン座の暗証番号を変更し、族カードの利用も止させる必がある。
いや、急に利用止にすれば弓に気づかれるかもしれない。限度額だけをギリギリまでげておくのが得策か。
様々な考えがを巡る、スマートフォンの画面が突然るくなった。メッセージアプリの通だった。送り主は娘の奈緒だった。
今のから社会となり、暮らしを始めた娘とは週に度ほどいメッセージをやり取りする程度だった。
『お父さん元気?今週末久しぶりに実に帰ろうとうんだけどいいかな?』
奈緒からのメッセージに私はしだけが救われるいがした。
『もちろんいいよ。お母さんもぶ。何がべたい?』
私がそう返信するとすぐに既読がつき、奈緒から返事が来た。
『お母さんのハンバーグがべたいな。あ、そういえばさ、』
続くメッセージの文章を見て私の指は画面のでぴたりと止まった。
そこには私の像を絶する恐ろしい事実がかれていた。