"飲んではいけないお茶" 第7話
そして、その元が、わずかに笑みの形に歪んでいた。
計画が成功したことをぶ、悪魔の勝利の笑みだった。
「おばあちゃん……おじいちゃんのこと、いしてるの?」
匠が、いつのにかそばにっていた。
佐子は涙で濡れた顔のまま、さくうなずいた。そして、残酷な質問だと分かっていながら尋ねた。
「匠ちゃん、ゆかりさんが、おじいちゃんのことで何か話しているのを聞いたことはない?」
匠の顔から血の気が引いた。
彼はっている。
佐子は直した。
匠は線を落とし、ぽつりぽつりと語り始めた。
「僕が5歳くらいのだったとう。夜、ママが話で誰かと話してた。たぶん坂本さんだとう。すごく嫌が良くて、笑いながら言ってた」
匠は唾をみ込んだ。
「あのジジイは本当に簡単だったわ。ハーブティーにちょっと混ぜただけでころっと逝ったんだから、って」
佐子は息をのんだ。
夫は殺された。
疑惑は、確信へ変わった。
「それで、ママは続けて言ったんだ。あのババアだって同じで始末してやる。でもあいつはジジイよりしぶといから、今度はもっとうまくやらないとね、って」
5歳の子どもが、母親のからそんな言葉を聞かされる獄。
匠はずっと、この記憶を1で抱え、誰にも言えず苦しんできたのだ。
佐子は涙を拭い、顔をげた。
すべての証拠は揃った。
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瓶。
偽造類。
メール。
送記録。
倫写真。
そして、15の殺を裏付ける匠の証言。
夜がけたら、すぐに話をする。
柏の顧問弁護士を務め、総郎が弟のようにがっていた男。
斎藤幸介弁護士に。
夜けのが障子をく染める頃、佐子は話の受話器をに取った。隣の部では、匠が穏やかな寝息をてている。そのさな寝顔が、佐子の覚悟を鋼のように固くしていた。
コール音が3回鳴ったあと、聞き慣れた声が答えた。
「はい、斎藤です」
「斎藤先。私です。柏佐子です。こんな朝くに申し訳ありません」
「佐子さん、どうかなさいましたか」
の付きいで、斎藤幸介は佐子の声の調子から、ただ事ではないと察したようだった。
「先、今、至急お会いしてお話ししたいことがあります。誰にも聞かれてはならない、命に関わる話です」
斎藤は即座に答えた。
「分かりました。事務所に午9にお越しいただけますか。私が番乗りで勤して、の誰も入れないようにしておきます」
午9。
斎藤法律事務所の応接は、異様な緊張に包まれていた。
佐子の隣には、い表をした匠が座っている。斎藤は、言葉を話せるはずのない匠がそこにいることにまず驚き、ついで佐子の憔悴し切った顔と、目の奥に宿る激しいに息をのんだ。
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佐子は、昨からの来事をすべて話した。
匠が8言葉を封じられていたこと。
ゆかりが入れた毒入りハーブティーのこと。
寝から見つけした証拠の数々。
佐子はテーブルのに、ハンカチに包んだジギタリスの瓶とメモ、USBメモリを置いた。
斎藤は眉にいしわを寄せ、黙って話を聞いていた。折、信じられないというように首を振り、やがてその表は驚愕からりへと変わっていった。
「これはひどすぎる。殺未遂、児童虐待、詐欺、私文偽造。考え得る限りの犯罪が詰め込まれています」
斎藤は鏡をし、疲れたように目を押さえた。
「ですが佐子さん、番の問題は15のご主の件です。匠君の証言は非常にですが、それだけでは証が難しい。何しろ15もの話ですから」
佐子は斎藤の目をまっすぐ見据えた。
「だからこそ、先にお願いがあります。あのを、ゆかりを、夫殺しの罪で裁いてほしいのです。そのためなら、私はどんなことでもします」
その覚悟をじ取った斎藤は、しばらく考え込んだ、々しくをいた。
「佐子さん、覚悟はよろしいですか。これから々がやろうとしていることは、普通のやり方では通用しません。警察、検察、児童相談所、法医学の専、あらゆる組織を巻き込み、周到に戦略にく必があります」
斎藤は度言葉を切り、はっきりと言った。
「ご主、総郎さんのお体を掘り起こす必があります」