"飲んではいけないお茶" 第3話
「法律では、おばあちゃんがんだら、全部のおとこのおは父さんのものになるんだって。そして父さんはママの言うことを何でも聞くから、結局は全部ママのものになるんだって言ってた。だから、あのババアがくねばいいのにって、何度も」
佐子は息をのんだ。
全の血が凍りつくような覚だった。
「なぜ今、話してくれたの?」
そう尋ねると、匠は佐子の顔をじっと見げた。その瞳には、恐怖を乗り越えたい志が宿っていた。
「今のお茶は、いつもと違ったんだ。ママが話で、『今度こそ成功させる。2泊3もあれば分だ』って言ってるのを聞いたから。おばあちゃんを本当に殺しちゃうつもりなんだ。だから、僕が止めなきゃってったんだ。おばあちゃんは、僕のことを本当に好きでいてくれる、たった1のだから」
その言葉は、佐子のを々に打ち砕いた。
同に、焼け落ちたはずの魂の奥に、さなを灯した。
この子のために戦わなければならない。
この8の獄を終わらせなければならない。
佐子は、自分ので何かが音をててに、代わりに固くたい何かがまれたのをじた。
匠の告は、佐子の脳裏で何度も繰り返された。
嫁ゆかりが自分に向けた殺。
孫を駒として利用した8に及ぶ虐待。
その1つ1つが鋭いガラスの破片となり、佐子の臓に突き刺さった。
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畳のに広がったハーブティーは、気な染みとなっての気配を漂わせている。
「毒」
その言葉が、佐子の記憶の扉を無理やりこじけた。
忘れようとしていた2の悪が、鮮烈な彩を伴って蘇る。
あれは、ちょうど2ののことだった。
そのも、ゆかりは「健さんの誕祝いですから」と言って、佐子ので腕を振るっていた。テーブルには料亭の仕しと見まがうばかりの豪華な料理が並び、ゆかりはいつもの完璧な笑顔でかいがいしく働いていた。
「お義母さん、こちらもどうぞ。体を温める効果のある特製の薬膳スープですわ」
そう言って差しされた温かなスープ。
姜のりが欲をそそり、佐子は何の疑いもなくそれをにした。とても美しかったことを覚えている。
異変が起きたのは、その数だった。
夜、ベッドので、突然、鉄の万力で臓をわしづかみにされるような激しい痛みに襲われた。息ができない。胸が張り裂けそうだ。朦朧とする識ので、佐子は必に枕元の緊急ブザーを押し、そのまま識を失った。
次に目覚めた、彼女は病院の集治療にいた。
医師の診断は急性筋梗塞。
幸い発見がかったため命は取り留めたが、あとし遅れていたら危なかったと告げられた。
駆けつけた健は泣き崩れ、ゆかりは青ざめた顔で涙を流していた。
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「私のせいですわ。お祝いの席で、お義母さんに無理をさせてしまって」
誰もが、佐子の齢と頃の疲れが原因だとっていた。佐子自も、そう信じて疑わなかった。
だが、違ったのだ。
あれは病気などではなかった。
あれこそが、ゆかりによる最初の計画だったのだ。
あの薬膳スープのに、何か得体のれないものが混ぜられていたに違いない。
理解した瞬、胃の底からたいものがせりがってきた。佐子は元を押さえ、激しい吐き気に耐えた。
あの、自分は殺されかけていた。
そしてゆかりは、涙を流しながら、危篤の自分を見てほくそ笑んでいたに違いない。
「いつから……いつから、あの女は……」
考はさらに過へとさかのぼっていく。
ゆかりが柏に嫁いできたのは18。健が目惚れした、聡で美しい女性だった。最初は佐子も、良い嫁が来てくれたとんでいた。
だが、どこか違があった。
ゆかりは常に完璧すぎた。の起伏を見せず、いつも穏やかに微笑んでいる。その完璧さが、逆にのない気さを醸ししていた。
匠がまれてから、それはさらに顕著になった。
ゆかりは「匠の療育に集したいので」と言って、佐子が息子夫婦のに頻繁に訪れることを、やんわりと、しかし確実に拒むようになった。そして匠の症状は、佐子が距を置かれているに、どんどんくなっていったのだ。