"トランクの中の9年" 第3話
毎、匠の失踪のがづくと、元のテレビ局がい特集を放送した。
画面には、幼い匠の写真が映る。かつて捜索を担当した元刑事が、当の状況を語る。記者が悟へ取材を申し込むこともあったが、彼は話にず、ドアもけなかった。
事件のファイルは、熊本県警の倉庫で埃をかぶっていた。
数に1度、若い刑事がそのファイルを取りすことがあった。公園の図、防犯カメラの記録、悟の証言、捜索写真。何度見直しても、しい発見はなかった。
そして2024の初め。
匠の失踪から、ほぼ9が過ぎていた。
悟はさらに目を避けるようになっていた。所の民は、彼を夜にしか見かけなかったとに証言する。フードをくかぶり、誰とも目をわせずに歩いていた。
のある夜、悟は古いトヨタのシートをした。
はくかされていなかった。エンジンは何度も自然な音をて、ようやく始した。
悟は夜にアパートをた。
そして朝、1で徒歩で戻ってきた。
はなかった。
彼は古いトヨタを、町から数kmれた森へ運んでいた。そこは違法投棄でられる所だった。古い蔵庫や建設廃材が積まれたに、を放置した。
悟は、9秘密を守り続けてきた無言の相棒を、ついに処分したのだった。
それが終わりの始まりだった。
数週、悟は姿を消した。
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翌の賃が支払われず、が連絡を取ろうとしたが、話はつながらなかった。警察ち会いのもとで部をけると、アパートはほとんど空になっていた。
さな類の鞄が消えていた。
鍵はテーブルのに置かれていた。
最初、警察は常な失踪だと考えた。暗い過を持つ男が、賃を払えなくなり、どこかでやり直すために逃げたのだろう。
しかし、その1ヶ。
熊本郊の森で、清掃作業が始まった。
作業員たちは、に積みげられた廃棄物をで撤していた。錆びた、壊れた具、コンクリート片が次々と引きげられる。
その途、のバケットが古いの根に引っかかった。
それは、悟が捨てた古いトヨタだった。
作業員は、放置両の報告順に従い、警察を呼んだ。
現に来た若い警察官は、ナンバープレートを確認し、データベースに照会した。
所者、岡田悟。
若い警察官には、その名はすぐには響かなかった。
しかし隣にいた配の警察官は、名を聞いた瞬に表を変えた。
彼は覚えていた。
9、さな男の子を探して、公園を隅々まで調べた警察官の1だった。
は廃処理に回されるに、警察署へ運ばれることになった。と枯れ葉に覆われ、ドアは錆びついていた。けれどトランクは、しっかり閉じられていた。
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鑑識のち会いのもと、刑事がバールを使ってトランクをけた。
属がきしむ音が、部のに響いた。
蓋がしずつ持ちがると、空気が変わった。
カビ臭さと、古い布の匂い。
そして、いを経た腐敗の匂い。
そのにいた者たちは、瞬言葉を失った。
トランクのには、汚れたシートと古い具がなっていた。鑑識官が懐灯で照らしながら、慎に布を取り除く。
そのにあったのは、骨だった。
さな骨。
によって黒ずみ、子どものの残骸と絡みっていた。
誰もすぐには声をせなかった。
さらに奥を照らした警察官が、別のものを見つけた。
汚れてあせ、片がちぎれたミッキーマウスのぬいぐるみだった。
5歳の岡田匠が、決して放さなかったおもちゃ。
その隣には、さな革のストラップがあった。汚れを落とすと、表面にく名が残っていた。
匠。
その瞬、9未解決だった方事件は、殺事件へと変わった。
古いファイルは急いで倉庫から取りされた。
鑑識作業は慎にめられた。遺骨は研究へ運ばれ、類学者が1つずつ確認した。の齢は4歳から6歳。体格も発育も、匠の医療記録と致した。
歯型の照で、元は100%確認された。
遺骨は岡田匠のものだった。
因は特定できなかった。
骨に確な骨折や刃物の痕跡はなかった。
窒息、薬物、毒など、が経てば骨に残らない因も考えられた。
しかし、1つだけ確かなことがあった。