"臨月サウナ監禁" 第3話
私はふっくらときく膨らんだお腹を、両で優しく包み込んだ。
「丈夫よ。お母さんが絶対にあなたを守るからね」
私の声に反応するように、お腹のでポンとさな命が力く蹴り返した。そのしい胎に涙がそうになった、そのだった。突然、腹部をハンマーで殴られたような、経験したことのない鋭い痛みがった。
「うっ……!」
っていられず、私はサウナののベンチに頽れる。まだ予定より2週もいのに、極度の恐怖とストレスが引きになったのか、痛みの波が急速に押し寄せてくる。陣痛だ。狭く暗い密閉空で、もなく、助けを呼ぶ段もない。おまけに酸素も徐々にくなり始めている最悪の状況で、しい命がへようと声をげようとしていた。
「はあ、はあ……痛い……誰か……」
識がのきそうになる、私はベンチのに転がり落ちた。その、私のに、あるものが触れた。それは属製のさな黒い箱。匠がサウナで音楽を聞くために持ち込んでいた、型のAIスマートスピーカーだった。だが、Wi-Fiに繋がっているとはいえ、これだけで部に話をかけることはできないはずだった。
絶望で界が暗く染まりかけたその瞬、誰もいないはずののリビングの方から、ガチャリと玄関のドアがく音が聞こえた。
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(え……義両親が戻ってきたの? いや、あの2がわざわざ戻ってくるはずがない)
音は迷うことなく、真っ直ぐにこのサウナのある脱所へとづいてくる。コツ、コツ、コツ。そして、分いガラス窓の向こう側に、1のがぬっと現れた。暗に慣れた私の目に映ったその物の顔を見て、私は信じられないいで息を呑んだ。
「どうして……あなたがここに……」
分い耐ガラスの向こう側、暗い脱所にっていたのは、なんと夫の妹であるさやかだった。さやかは現25歳、義両親の歪んだ特権識とプライドのさをそのまま凝縮して受け継いだような女だ。彼女もまた、私のいちや学歴を見し、顔をわせるたびにチクチクと嫌みを言ってくるの1だった。
「さやかさん……! お願い、助けて、ここをけて!」
I pressed myself against the glass and begged desperately. 族とはいえ、まさか臨の妊婦をサウナに閉じ込めたまま、見殺しにするような真似はしないはずだ。縷の望みを託して叫んだ私に対し、さやかはガラス越しに私を見ろし、ニタッとの悪い笑みを浮かべた。
「あはは! お母様から『ネズミをカゴに閉じ込めてきたわ』ってLINEが来たから、まさかとって見に来たけど、本当に閉じ込められてるじゃない。傑作ね!」 「お願い、冗談はやめて……お腹が、陣痛が来てるの……く病院にかないと……」
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苦痛で顔を歪める私を見て、さやかは同するどころか、底面倒くさそうな顔をしてきなため息をついた。
「はあ? 陣痛? 嘘ばっかり。どうせそこからたくて、都よく詐病を使ってるんでしょう。体ね……」
さやかはドンとからガラス窓を蹴りつけ、忌々しそうに吐き捨てた。
「あんたみたいな卒の貧乏が産する子供なんて、うちの派な系には何の価値もないのよ。優秀なお兄ちゃんの経歴にを塗るだけの、ただのお荷物。お母様たちが言う通り、あんたはうちの財産を狙う寄虫なんだから、そこでしは自分の惨めさをいればいいのよ」
容赦なく浴びせられる侮辱のセリフ。命に関わる緊急事態にも関わらず、目ののこの女は、私とお腹の子供の命をお荷物と呼んだ。陣痛の痛みと、あまりの理尽な悪のに、私は声がなくなった。懇願するのをやめ、ガラス越しにさやかをただじっと見つめる。何を言っても無駄だ、この異常な族にはのが欠落している。
それに気づいた私は、血の滲むようないで唇を噛み締め、いい沈黙に陥った。
「何よ、その反抗な目は。本当にムカつく女」
さやかはポケットからスマートフォンを取りすと、ガラスにへばりついて苦しむ私の姿にカメラを向けた。カシャ、とフラッシュがる。
「無様にいつくばる姿、お母様たちにも送ってあげよっと。絶対に爆笑するわ。あ、私はお兄ちゃんが張にってるに、ワインセラーの級ワインをもらいに来ただけだから。