"臨月サウナ監禁" 第2話
のりが漂う暗い内。その瞬だった。バタン、と背で分くな製の扉が勢いよく閉められた。
「え……!?」
急いで振り返り、内側のドアノブを回すがビクともしない。からは、ガチャン、ガチャンと、京錠かチェーンのようなもので厳に固定される嫌な音が聞こえた。
「お義父さん、お義母さん、けてください! 冗談ですよね!?」
私が必に分い扉を叩くと、ガラス窓の向こうから、義両親の歪んだ笑い顔が見えた。
「冗談なものですか。私たち、これから5泊7で級温泉旅館にってくるわ。美しいものをべてゆっくり羽を伸ばしてくるから、あなたはその暗い箱ので、せいぜい私たちから息子を奪った罪を反省することね」 「そんな、嘘でしょう!? けてください、お願いです! お腹の子供が……!」 「ふん、そんな腹の子、俺の孫だとは認めておらん! 1週そこでをやせば、自分のがしは理解できるだろう。じゃあな」
私の必な叫びは、防音性のい分い扉に虚しく吸い込まれていく。
「やめて! 誰かけて!」
狭く暗いサウナ。換気扇の回っていない密閉空ので、次第にれていく空気と、元からいがってくる得体のれない恐怖。そして、玄関のドアがバタンと閉まる音が、無常にものに響き渡った。
玄関のなドアが閉まる音が、くの方でかすかに響いた、のはが痛くなるほどのい静寂に包まれた。
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「嘘でしょう……」
私は暗いサウナので、分い耐ガラスの窓を両で力いっぱい叩いた。
「けて! 誰かお願い! 匠さん! お義母さん!」
声を限りに叫んだが、その必な声は、防音仕様の分い壁に遮られる。何度ドアノブを回しても、側から頑丈な京錠のようなもので固定されているらしく、ガタガタと無質な音をてるだけで、寸分もく気配はなかった。
がのサウナは、サウナ好である夫の匠がこだわって業者に特注で作らせた本格なものだ。2が並んで座れる程度の広さで、気密性が非常にい。今は源が入っていないためくはないが、換気が回っていないこの密閉空に何も閉じ込められれば、どうなるかはを見るよりらかだった。
スマートフォンのことをいし、ハッと自分のエプロンのポケットを探る。だが、入っていない。先ほどお茶を入れるために、キッチンカウンターのに置いたままだ。部に助けを呼ぶ段は、完全に絶たれてしまった。
暗ので臓が鐘のように鳴り響く。たい汗が背を伝う、私の脳裏に、つい1の義母の酷な声が蘇ってきた。
「本当に、貧乏の娘がうちの派な系にを塗るなんてね。卒の作業員だった親に育てられた、教養のない女。
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あんたみたいな底辺のは、暗い所でいつくばってきるのがお似いなのよ」
義父もそれに同調し、私の顔にタバコの煙を吹きかけながらこう吐き捨てた。
「おのようなどこの馬の骨とも分からん寄虫に、うちの財産は1銭とも渡さん。その腹ののガキごと、消えてなくなればいいんだ」
その異常なまでの侮辱のセリフの数々に、私はりで全が震えそうになるのを必に堪えていた。ここで言い返せば、また彼らは匠に嘘百を並べてて夫を苦しめることになる。だから私は、唇から血がにじむほどく噛み締め、ただをじっと見つめてい沈黙を貫いていたのだ。私が黙り込んでいるのを見て、義両親は反抗する能もないと勝ち誇ったように笑っていた。
しかし、まさか彼らがこれほどまでの狂気を孕んでいたとは。5泊7の温泉旅。震える唇で義母が言い放った言葉を反芻する。はさえあれば数週はき延びられるというが、滴ないこの狭い空では、3も持たないだろう。しかも私は臨の妊婦だ。私1だけの命ではない。これは単なる嫌がらせではない、確な殺だ。
彼らは私をここで餓させ、旅から帰ってきたで、「勝にサウナに入ってドアの具でられなくなった慮の事故」
として処理するつもりなのだ。
「そんなこと、絶対に、絶対にさせない……」