"家族だけと言われた元日の逆転" 第9話
健吾は受話器の向こうで、ただ激しく泣きじゃくるばかりで、何も言い返すことができなかった。
「今1、暗い部のでよく考えなさい。族とは何か、母親とは何か、そして、自分がどれだけ親の恩恵に恵まれていたかをね」 『母さん……待って……!』 「それでは、良いお正を。私たちも『族だけ』で、これから楽しく過ごしますので」
私は徹に、通話終ボタンを押した。
正が私の肩を優しく、力く抱きしめてくれた。
「よく言ったな、礼子」 「ええ……。でも、しだけ、疲れちゃったわね」
私たちは再び、テーブルののおせち料理に向きった。先ほどよりも、料理のが議なほどく、美しくじられた。携帯話はそのも、画面が壊れんばかりに何度も何度も鳴り続けたが、私は度と、その画面に触れることはなかった。言うべきことは、すべてあの瞬に言い終えたからだ。
窓のには、正の穏やかで美しい青空がどこまでも広がっていた。しいの始まり、そして、私たち夫婦の、誰にも邪魔されない本当のしいの始まりだった。
あの激の正から、3ヶが過ぎた。
息子夫婦は結局、森弁護士の容赦ないリーガルチェックと管理会社の徹な対応により、マンションを期限通りに制退せざるを得なくなった。元々に元保証を失い、親のから追いされた彼らは、当然、次のしい級入居先など見つけられるはずもなく、最終にの実へとを寄せることになったとの噂で聞いた。
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しかし、の両親も、正々の混乱の引きとなった娘夫婦を、決して良く受け入れているわけではないらしい。狭い実ので、毎お互いの責任を擦り付けい、庭内の雰囲気は最悪だと、を通じて微かににした。でも、それはすべて、彼らが自らの傲さによって選んだである。
方で、私たち夫婦の活は、あのを境に驚くほど充実し、幸福に満ちたものへとまれ変わっていた。
今、私は正と2で、以からずっときたいと願っていた、の静かな級温泉宿へとかけている。
「礼子、見てみろ、あそこのの景が本当に綺麗だぞ」 「ええ、本当に……。こんなに穏やかで、何の気兼ねもないを過ごせるなんて、私、本当に幸せね」
呂から見える美しい々は、の訪れを告げるような、柔らかで瑞々しい緑に包まれていた。温かいお湯にを浸しながら、私はこの3ヶの劇な変化を静かに振り返っていた。
息子夫婦に気を遣い、顔を窺う必が完全にくなったことで、私たちは自分たちのために、すべてのとおを使えるようになったのだ。元の友たちとお茶会をいて笑いしたり、ずっと興のあった陶芸教に通い始めたり、域のボランティア活にも積極に参加するようになった。
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『岡崎さん、最本当にききとしていて、10歳は若返ったみたいね!』
友たちからそう言われることが、最本当に増えた。
「ええ、今が私の68のので、1番自由で、1番幸せかもしれません」
私はから、そう確信している。
数週、健吾からがのポストに、1通のが届いていた。そこには、便箋何枚にもわたって、涙ながらの謝罪の言葉がびっしりと綴られていた。
『母さん、あののことは、本当に、本当に申し訳ありませんでした。僕たちは、母さんがどれほどきくて切なだったか、すべてを失って初めていりました。どうかもう1度、僕たちを族として許してください……』
私はそのを、をかされることなく、静かに引きしの奥へと閉じた。
「礼子、返事はどうするんだ?」と正が優しく問いかけてきた。 「ええ、返事はまだ、ずっ先でいいわよね」
正はく頷いた。
「ああ、あいつらにはまだまだ、が必だ。簡単に許して甘えさせるつもりは、俺にもないからな」
完全に拒絶するつもりはないけれど、彼らが本当ので「族」のみを理解し、自らのでてるようになった、その初めて、また話をしてもいいかもしれない。
この激しい経験を通じて、私はにおいて本当に切なことをく学んだ。