"海が隠した最後の写真" 第4話
偶然じゃなかったんですね」
田の声にも緊張がる。
「過、笠原で起きた失踪事件をすべて洗え」
、田は青ざめた顔で分いファイルを持ってきた。
「警部、非常におかしいです。過で複数の失踪や事故がありました。そのうち件が、すべてかもめ荘か野と関係しています」
1985に方になった漁師。1987に崖から転落した観客。1992に姿を消した同級。全員が、かもめ荘に宿泊したか、野と最に会っていた。
鈴はファイルを閉じた。
「連続殺だ。野は、自分の密輸の秘密に気づいたを消してきた」
捜査チームは野と武志の通話を傍受し始めた。目の夜、ついにきがあった。
「親父、警察がしつこく嗅ぎ回ってる。気が悪い」
武志のげな声に、野はたく答えた。
「騒ぐな。ものことを、今さらどうにかできるもんか」
「でも、あの古い倉庫を片付けたほうがいいんじゃないか」
「そうだな。余計なものは処分しろ」
傍受の空気が凍りついた。
倉庫の片付け。証拠隠滅の図だった。
しかし、令状の請求は度却された。検事は首を横に振った。
「状況証拠だけではりません。もっと確実な物証を持ってきてください」
鈴はりを抑え、警察署へ戻った。
「武志を崩す。父親より息子のほうが脆いはずだ」
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2004825、京・豊洲くの事務所。鈴警部と田刑事がへ入ると、派なスーツ姿の武志が従業員に指示をしていた。
鈴は警察帳を示した。
「武志さんですね。警庁です。、笠原で起きた事件について確認したいことがあります」
武志は瞬だけ顔をこわばらせたが、すぐに作ったような笑顔を浮かべた。
「ああ、あの学さんたちのことですか。本当に痛ましい事故でしたね」
「事故ですか」
鈴の線が鋭くなる。
「当、あなたはどこにいましたか」
武志は迷わず答えた。
「父の使いで本に来ていました。当付きっていた彼女に会いに、静岡へ」
「その女性の名は」
「ミキです。今どこにいるかはりませんが」
捜査チームはかけてミキを探しした。現は名古で美容を営んでいた。話で武志の名を聞くと、ミキはたく笑った。
「武志? あのどうしようもない男の名を聞くなんて、久しぶりだわ」
「1989815、武志さんと会いましたか」
い沈黙のあと、ミキの声がりに震えた。
「あのを忘れるわけないでしょう。夜に静岡駅で会う約束だったの。両親に紹介するだったのに、あの男は晩現れなかった」
武志のアリバイは崩れた。
翌、鈴は再び笠原へ向かった。港で網を直していたは、鈴の姿を見るなり顔面蒼になった。
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「さん。これが最です。の夜、何を見たのか正直に話してください」
は目をそらす。
「私は何も……」
「野からをもらって止めされたんですね」
その言に、の肩が震えた。しばらく沈黙したあと、彼は膝から崩れ落ちた。
「すみませんでした。わずかなに目がくらみました」
鈴はしゃがみ込み、静かに言った。
「あの夜、何を見た」
は涙をこぼしながら答えた。
「野社と息子の武志が、あの学たちと緒にでていくのを見ました。でもほどして戻ってきた、に乗っていたのは野社と武志のだけでした」
決定な証言だった。
武志は緊急逮捕された。取調で夜を過ごすと、ついにをいた。
「はい……私がやりました」
彼は震えながら語った。
「桜さんを初めて見たから好きでした。あの夜、が争っている声を聞いて、をつけました。瞬にカッとなって……」
鈴はたい目で見た。
「偶発な犯だと?」
武志はうなだれた。
だが、その、鈴の携帯が鳴った。科学警察研究所からだった。
「警部、フィルムの最の枚の分析が終わりました。非常になものが映っています」
鈴は話を切ると、顔をくした。
最の枚。
そこに、隠されていた本当の犯が映っていた。
科学警察研究所のモニターには、復元された最の写真が映しされていた。
そこには恐怖に怯え、鳴をげる直の桜の顔が写っていた。