"親友と夫を捨てた日" 第2話
その言葉に私は胸が痛んだ。
被害者は私だけではない。
このも裏切られていたのだ。
健はタブレットを差しした。
「見ますか」
画面にはLINE。
孝志と美のやり取りだった。
私は息を呑んだ。
『今は周だね』
『あっというだったね』
周。
その文字で理解した。
昨今の話ではない。
。
。
は私たちを騙していた。
『裕子って本当に気付かないよね』
『政婦みたいなもんだから』
『無料で働いてくれるし最』
『あはは』
そこから先は読めなかった。
目のが滲む。
吐き気がした。
私は。
庭を守ってきた。
節約した。
パートもした。
夫のために。
族のために。
だが。
夫は私を政婦としか見ていなかった。
親友は私を笑い者にしていた。
「許せません」
私が言うと。
健は静かに頷いた。
「私もです」
そして。
彼は枚の名刺を差しした。
弁護士だった。
「徹底にやりましょう」
その言葉に私は頷いた。
もう迷いはなかった。
夜。
帰宅すると。
孝志はソファでゲームをしていた。
「遅かったな」
何事もなかったような顔。
数。
別の女を抱いていた男とはえない。
「病院ってたの」
「袈裟だな」
で笑う。
「しがたくらいで」
その態度にりが込みげる。
だがした。
今はまだ。
反撃のではない。
「夕飯作るね」
そう言ってキッチンへ向かった。
その背に。
孝志が言った。
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「おさ」
私は振り向く。
「最老けたよな」
笑いながら。
「女として終わってる」
私は何も言わなかった。
代わりにった。
もうすぐ終わるのは。
あなたの方よ。
翌。
美から話が来た。
「裕子~」
るい声だった。
何もらないとっている。
私は平静を装った。
「どうしたの?」
「実は健と喧嘩しちゃって」
嘘だった。
全部っている。
「しばらくに泊めてくれない?」
図々しい。
だが私は答えた。
「いいわよ」
「やった!」
嬉しそうな声。
私は笑った。
ので。
これが最の笑顔になるともらずに。
その夜。
孝志は帰宅すると封筒を投げた。
「サインしろ」
を見て息を呑む。
婚届だった。
すでに孝志の署名がある。
証欄には。
美の名。
「何これ」
「見れば分かるだろ」
孝志は笑った。
「婚だよ」
あまりにも堂々としていた。
悪びれもしない。
そこへインターホンが鳴った。
玄関がく。
入ってきたのは美だった。
きなキャリーケースを持っている。
「こんばんは」
そして。
私を見て笑った。
「もう隠さなくていいよね」
その瞬。
全てがらかになった。
「私ね」
美が孝志の腕を抱く。
「これから孝志ときていくの」
さらに。
ろから義母が現れた。
「やっとこのが来たわ」
私は固まった。
義母まで。
方だったのか。
「私は最初から美さんの方が良かったのよ」
笑顔で言う。
。
私は介護も伝った。
事も届けた。
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それなのに。
全て無駄だった。
「さっさとサインしなさい」
孝志がペンを突き付ける。
「財産はいらない」
「慰謝料もなし」
「今てけ」
無茶苦茶だった。
だが。
私はサインしなかった。
「考えるわ」
そう言った瞬。
孝志が激した。
「ふざけんな!」
腕を掴まれる。
引きずられる。
玄関まで。
そして。
突きばされた。
「てけ!」
ドアが閉まる。
鍵の音が響く。
私はマンションの廊にっていた。
財布。
スマホ。
さなバッグだけ。
暮らしたから。
私は捨てられた。
その。
スマホが震えた。
健からだった。
「もしもし」
『追いされましたか』
「ええ」
『丈夫です』
健の声は落ち着いていた。
「何も丈夫じゃ……」
『いいえ』
彼は言った。
『むしろ予定通りです』
私は黙った。
『裕子さん』
そして。
健は静かに告げた。
『反撃の準備がいました』
『から、彼らのを終わらせます』
私は夜空を見げた。
涙はなかった。
代わりに。
の奥で何かが燃えていた。
い復讐の始まりだった。
翌朝。
私は健に指定された級ホテルへ向かった。
昨夜はほとんど眠れなかった。
築いてきた庭を失った。
普通なら泣き崩れていてもおかしくない。
けれど議と涙はなかった。
のにあるのはしみではなくりだけだった。
ホテル最階のラウンジ。
窓際には健が座っていた。
そしてもう。
見らぬ配の男性がいた。
「こちらへ」
健に促され席へ着く。
「ご紹介します」
男性がちがった。
「邦物産専務の島です」