"席のない結婚式" 第2話
「麗華さんのご両親が……方から来る親族は呼ばないでって……」
胸が、しだけ痛みました。
けれど、議とりは湧いてきませんでした。
そのままロビーを歩いていると、麗華さんのお母様と鉢わせました。私たちの姿を見るなり、彼女は骨に嫌な顔をしました。
「あら、いらしていたんですか。健太郎さんからは、ご欠席と伺っておりましたけれど」
「招待状をいただきましたので」
私が静かに答えると、彼女はく笑いました。
「でも、お席がないのでしたら、お帰りになった方がよろしいのでは?今は麗華のれ台ですもの。違いな方がいらっしゃると困りますわ」
「違い、ですか」
夫が静かに聞き返しました。
麗華さんのお母様は、私たちの着物と礼をからまで眺めました。
「だって、ご覧になればお分かりでしょう。本のゲストは皆、それなりの方々ばかりですのよ。方の、そのご職業の方では、会話もいませんでしょうし」
周囲の線が集まり始めました。
ざわざわとした空気の、私は夫の横顔を見ました。
貴は、相変わらず穏やかな表をしていました。
その、奥の通から健太郎が現れました。
私たちの姿を見ると、息子は驚くどころか、迷惑そうに眉をひそめました。
「父さん、母さん……どうして来たんだよ」
その言で、私のの最の期待が、静かに音をてずに消えていきました。
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健太郎は私たちのまで来ると、周囲を気にするように何度も線をかしました。
披宴会へ向かう招待客たちがを止め、こちらの様子をうかがっています。
健太郎はさく舌打ちをすると、声を潜めました。
「父さん、母さん、どうして来たんだよ。困るよ」
私は静かに答えました。
「招待状をいただきましたから」
健太郎は眉にいしわを寄せました。
「あれは形だけだろう。麗華の両親が招待状はすべきだって言うからしただけなんだよ」
夫の貴が落ち着いた声で尋ねました。
「来るなという連絡は受けていないが」
健太郎は苛ったように肩をすくめました。
「話で言ったつもりだったんだけどな」
「そのような話は聞いていない」
夫がそう返しても、健太郎は謝りませんでした。
むしろ面倒なことになったという表を浮かべています。
「とにかく今は麗華とその族のためのなんだ。父さんたちには悪いけど、帰ってくれないか」
私は息子の顔を見つめました。
かつてさかった頃の面が、もうどこにも見当たりませんでした。
「私たちはただ、お祝いしたくて来たのよ」
そう伝えると、健太郎は困ったようにをかきました。
そしてし黙った、観したように本音をにしたのです。
「正直に言うよ」
その声はたく乾いていました。
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「父さんと母さんがいると恥ずかしいんだ」
周囲の空気が瞬で凍りつきました。
私は何も言いませんでした。
ただ静かにっていました。
健太郎は続けます。
「麗華の親は資産なんだ。今来てるたちも社とか医者とか弁護士ばっかりなんだよ」
そう言うと、息子は私たちを見ました。
「父さんは方の元。母さんは陶芸」
し言葉を切ります。
「正直、釣りわないんだよ」
私は胸の奥に鈍い痛みをじました。
けれど涙はませんでした。
りもありません。
ただ、とてもい所から誰かの話を聞いているような覚でした。
「釣りわない、か」
夫が静かにつぶやきました。
健太郎はうつむきました。
しかし否定はしませんでした。
それが彼の答えだったのです。
そのでした。
ウェディングドレス姿の麗華がこちらへ歩いてきました。
美しいドレスでした。
けれど、その表にはらかな苛ちが浮かんでいました。
「健太郎、まだ終わってないの?」
麗華はそう言うと、私たちを見ました。
そして当然のように言いました。
「お父様、お母様、来ないでくださいってお伝えしたはずですよね?」
私は静かに答えました。
「そのような話は聞いていません」
麗華はため息をつきました。
「お気持ちは分かります。でも今は特別ななんです」
彼女は周囲の招待客たちへ線を向けました。
「私の両親もゲストの皆様も、それなりの方ばかりなんです」