"切れた数珠の15年" 第3話
だが裏返すと、の表面に細かな凹凸があることに気づいた。文字というより、ペン先でく押しつけた跡のようだった。
田は指先でそっとなぞった。
凹凸は、確かに文字の形をしていた。
その瞬、彼のに15のニュースがよみがえった。
この寺で若い尼僧が殺された事件。
田はそのの作業、の束を持って警察署を訪れた。
応対したのは、継続捜査班の班になっていた哲也だった。髪にはいものが混じっていたが、目の鋭さは15と変わっていなかった。
は類袋から写経を取りした。
の端に、さく「蓮華」と記されていた。
の顎がく噛みしめられた。
15、胸ポケットに入れ続けてきた現写真の顔が、目のに浮かんだ。
はすぐに京都府警の科学捜査研究所へ向かった。
分析で最の3D学読み取り装置がきした。青いが写経の裏面を照らすと、肉では見えなかった凹凸がモニターに浮かびがった。
1文字、また1文字。
文章がしずつつながっていく。
研究員たちもも、息を詰めて画面を見つめた。
そこに現れたのは、蓮華がの直に残した記だった。
「真兄さんの子を授かった」
の指が震えた。
続いて、次の文章が浮かびがる。
「今夜、真兄さんが寺を訪ねてくる。すべてを静かに収めてくれると約束した」
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蓮華は、誰にも話さないつもりだった。真の将来を壊す気はなかった。静かに寺をり、子を産む覚悟をしていた。
誰かに見つかることを恐れ、表には般若経をき、裏には自分の真実を目に見えない凹凸として刻んだ。そして、それをご本尊の台座のに隠したのだ。
は解読報告を握りしめた。
15、聖の仮面をかぶっていた男の素顔が、ついにの裏から浮かびがった。
「黒田真を捕まえる」
はく呟いた。
だが、15と同じように、警察内部に真のが伸びている能性は分にあった。
は継続捜査班の事記録を確認し、真の法律事務所や財閥と接点のある者をした。3かけ、信頼できる刑事4だけを選び抜き、秘密捜査班をちげた。
捜査班の壁には、15の事件資料が再び貼られた。
央には黒田真の写真。
そのに、は赤いペンで太くいた。
「必ず捉える」
古い写経が真実を吐きした夜から、秘密捜査班は眠ることを忘れた。
第4章 消えた駐係
真を捕まえるには、15の完璧なアリバイを崩す必があった。
問題は、ホテルのパーティー写真に空いた2の空だった。
真はその、どこへったのか。
は班員たちに、15のホテルの事記録と与記録を調べるよう命じた。ホテル側は最初、個報を盾に拒んだ。
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しかしは裁判所に令状を請求し、3には事記録閲覧の令状をに入れた。
持ち帰った与ファイルは、分いバインダー3冊分にもなった。
たちは、夜通し名簿を照らしわせた。
事件が起きたの退職者名簿ので、の指が1つの名で止まった。
本田。
駐の係員だった。
彼は事件直に突然退職していた。さらに退職の欄には、通常の10倍以の額が記されていた。
入社して2にも満たない末端の係員に、そんなが支払われるはずがない。
本田は退職、方を消していた。所は抹消され、健康保険、携帯話、座の記録も途切れている。
は方向を変えた。
違法賭博の摘発記録を調べたのだ。
すると、本田はホテル退職から常習賭博で何度も摘発されていたことが分かった。さらに、方のさびれた業団にある違法賭博で、本田らしき男が目撃されていた。
は刑事2と共に、その夜のうちに現へ向かった。
古い業団の。鉄扉の向こうには、煙の煙との匂いがこもっていた。刑事たちが踏み込むと、男たちは方へ逃げした。
裏へ向かって子を倒した男を、刑事が押さえ込む。
本田だった。
15、ホテルの駐係をしていた男は、頬がこけ、歯も抜け、あせたジャンパーを羽織っていた。
額の退職を受け取った男の末は、荒れ果てたものだった。
取調で、は15の付が入った類を机に置いた。