"義母が家を売った日" 第6話
元夫は勢いを増して玄関を叩いた。
「そうだよな。のない女2だけできていけるわけない。親父の遺産がまだあったんだな。俺に内緒でそれを活費にしてるんだろ」
義父はすでにくなっている。
けれど、遺産相続はきちんと終わっていた。元夫も法律で決まった分を相続したからこそ、私に倫の慰謝料を括で支払えたのだ。
義母はたい声で答えた。
「お父さんの遺産じゃないわ。私のおを毎ゆいさんに渡しているの」
元夫のの抜けた声が返ってきた。
「は?」
「活費として。それから、私を介護してくれていることへのお礼として、毎20万円ほどね」
義母は淡々と言った。
「ゆいさんみたいな、普通いないわよ。この代に、夫の頼みを聞いて専業主婦になって、義実で同居してくれた。怪をしたらヘルパー代を浮かせるために、介護も事もしてくれた。その、こんなバカ息子と婚したのに、まだ私の面倒を見てくれている」
私は義母の言葉に胸がくなった。
「私も、お母さんのお世話になりっぱなしではいけないから、今は宅勤務で働いているの。まだ活費のしにしかならないけれど、とにかく私とお母さんの配はいらないわ」
数秒、元夫から反応はなかった。
きっと、私たちの言葉をみ込んでいる最だったのだろう。
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やがて、元夫がく言った。
「母さんにそんな貯があるなんてらないぞ。に20万円? ありえないだろ」
私は静かに説した。
「お母さんは、あなたがっているよりずっとすごい方なの。元々、おじいさまからの遺産やお父さんの遺産を元に資産運用をしているのよ」
元夫は黙った。
「あなたの収入なんて比べものにならないくらいの資産があるわ。しかも、とても勉で、学ぶことを諦めていない。骨折してけなくなっても、できることに取り組んで、定しておを増やせるようになったの」
元夫はすぐに鳴った。
「ふざけるな! そんながあるなんて聞いてない! 2して俺を騙してたんだな!」
扉の向こうで、元夫の声が荒くなる。
「俺は血のつながった息子だぞ。おはあくまで義理の娘だ。義理の娘より、血のつながった俺が優先されるのは当然だろ。今までもらったは全部俺によこせ。俺のものだぞ」
義母はく息を吐いた。
「あなたに渡すおはないって言っているでしょう。私が増やしたおは私のお。私のおをどう使おうと勝でしょう」
元夫はし黙ったあと、ひらめいたように言った。
「でも、母さんがんだら相続できるのは俺だ。おには1円もやらねえぞ。を折ったババアなんて、そのまま寝たきりになって、どうせすぐぬんだ」
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その言葉を聞いた瞬、私はりで目のが真っ赤になった。
けれど義母は、私を見て静かに微笑んだ。
「そう言うとったわ」
そして、インターホンに向き直った。
「だからきているうちに、産や株、今の私の収入になるものは、全部贈与でゆいさんに譲る方向でいているの。税のこともあるから、税理士さんに相談しているところよ」
元夫が息をのむ音が聞こえた。
義母はさらにたい声で続けた。
「まあ、おにも法律で決まった分を相続する権利はあるけれどね。お父さんから相続したこのも売るわ。そのおは次のと引っ越し代に使う。今からできるだけ貯を減らしておくから、私がんでもしたおはに入らないといなさい」
ついに元夫は発狂した。
玄関を叩きながら、の分からない言葉を叫び続けた。
私はすでに警察に通報していた。
警察が到着すると、元夫はまだ玄関で暴れていた。
「おは俺の嫁なんだぞ! なんで俺の親から俺よりをもらえるんだよ! おかしいだろ!」
警察官に取り押さえられながらも、元夫は叫び続けた。
「血のつながらないを優先するなんておかしい!」
義母はインターホン越しではなく、玄関の内側からはっきりと言った。
「親の介護を嫁さんに押し付けて、自分は若い子を騙して浮気して、そのおおばかり言う男なんて、たとえ血がつながっていても許せるわけないでしょう」
義母の声は震えていた。