"義母が家を売った日" 第4話
義母の顔が真っ赤になった。
元夫は続けた。
「頼むよ、母さん。そろそろ息子が1ちするのを許してくれよ」
そして今度は私を見た。
「おも婚したからって関係ない顔すんなよ。婚くらいで親子の縁が切れるわけないだろ。母さんは今でもおの親だ」
元夫は私を指差した。
「仕事で忙しい俺と違って、1にいるおには介護するがある。ってわけで、このに残ることを許してやるから、これからも介護をしっかり続けろよ」
その瞬、私は隣の義母を見た。
義母はりで震えていた。
私は静かに息を吸った。
「私はここでお母さんを支えるわ。ただ、勘違いしないで。私はお母さんを守りたいの。1で暮らすのが難しい母親に、ヘルパーを雇うでもなく、施設を探すでもなく、ただ放置してていくな息子からね」
元夫は私の言葉をほとんど聞いていなかった。
「まあ、何でもいいや。ちゃんと母さんの面倒を見ろよ」
そう言うと、荷物をまとめてあっさりをていった。
のエンジン音がざかる。
私はきく息を吐き、ソファに腰をろした。
隣を見ると、義母がいたずらっ子のような笑みを浮かべていた。
「うまくいったわね」
私もわず笑った。
これからは、2暮らしの始まりだった。
元夫がをてから1ヶ、義母の携帯に連絡が入った。
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私は婚してすぐ元夫の番号を着信拒否にしていたが、義母は「2度と連絡なんて来ないでしょう」と言って、特に拒否設定をしていなかった。
話にた義母の表が、すぐに険しくなった。
私は何かを察し、静かに言った。
「お母さん、代わってください」
義母はうなずき、私に携帯を渡した。
に当てた瞬、元夫のきな声が聞こえてきた。
「ゆい! 変なことが起きたんだよ! とりあえず助けてくれ!」
私は呆れて息を吐いた。
「今さら、どの面げて」
そう言い返そうとしたが、元夫は私の言葉を遮るようにまくしてた。
「実は、今度結婚しようとしてた子、俺の会社の取引先の社員の子でさ。俺、あの子には婚終わってるって説してたのに、なぜか会社に倫して嫁を捨てたって話が広がってるんだよ」
元夫の声はりで震えていた。
「しかも、それが取引先全体にまで広がってて……」
次の瞬、声が涙声に変わった。
「しかも俺、振られたんだ。最だって。あの子の親父、取引先の社だったんだよ。この営業にったら、俺にめちゃくちゃってきてさ。もう変なんだよ」
私は底どうでもよかった。
「だから?」
く返すと、元夫は拍子抜けしたように言葉を詰まらせた。
「だ、だから……社さんから娘を騙したなって、慰謝料払えって言われてるんだよ。助けてくれよ」
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「そうなんだ。それで、どうして私が助けなくちゃいけないの?」
私は静に言った。
「私たちはもう婚してよ。助ける義務もないわ」
話を切ろうとすると、元夫は急に鳴った。
「ふざけるなよ! 分かった、これ全部おの仕業だろ! の幸せを奪いやがって、ただで済むとうなよ!」
「が分からないわ」
私はくため息をついた。
「体、私はあなたの会社に連絡なんて取ったことないわよ。どうせ浮気現を会社のに見られたとかじゃないの? こういう噂って、すぐに広まるのよね」
元夫はなおも泣きそうな声で訴えた。
「こっちは社から慰謝料請求されてるせいで担当をされたし、司と緒に毎謝罪回りなんだぞ。会社にも散々迷惑かけてるんだ」
「元々はあなたがまいた種でしょ」
私は淡々と答えた。
「もう話しないでくれる?」
そう言って話を切り、義母には申し訳なかったが、元夫の連絡先を着信拒否に設定してもらった。
話を切ったあと、私はわず笑いが込みげるのをじた。
元夫に言った通り、私は元夫の勤務先の誰にも連絡していない。
私が伝えた相は、取引先の社。
つまり、元夫の倫相の父親だった。
実は私は、元夫が浮気していたことも、その相と結婚を考えていることもっていた。
きっかけは偶然だった。
義母とその社は古いりいで、仲も良かった。義母が子活になってすぐの頃、塞ぎ込みがちだった義母の元へ、社が見いに来てくれたのだ。