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"「柿の木だけは切るな」――庭から出た四人の遺骨" 第15話

あふれる丘とさな靴

事件の完全解決からかが過ぎた、初の澄み切った朝。 埼玉県内の営霊園の丘は、柔らかな差しに包まれていました。

、たい柿のの根のの暗に閉じ込められていた母娘の遺骨が、ようやく温かながり注ぐこの所へと納骨されたのです。

真しい御の墓のに、佐藤武は喪姿で膝をついていました。 そのには、とりどりのイチゴの飴の袋と、さない運靴が、綺麗に並べられていました。 歳、歳、歳。 のあの、履かせてやることができなかった靴でした。

「姉さん……美央、咲良、彩……。 もう、誰も棒なんて呼ばないよ。 おじさん、見つけるのが遅くなって……本当にごめんな……」

武は墓に額を押し当て、声をげて泣き続けました。 その背を、の穏やかな陽が優しく包み込んでいました。

共犯者たちへの鉄槌も、容赦なくされました。 事件をもみ消してり報酬を受け取っていた元署の本岩雄は、証拠隠滅教唆と収賄の罪で懲役の実刑判決を受け、全財産を追放されました。 虚偽の診断を作成した学病院も医師免許を剥奪され、法廷から刑務所へと送られました。

そして郎には、仮釈放のない無期懲役の判決がされました。

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財団の数億円にのぼる全財産は国に没収され、犯罪被害者遺族を支援する基へと形を変えました。

の網刑務所。 暗く凍てつく独の隅で、郎は本物のい病に侵され、寝返りすら打てない体となって震えていました。 夜になると、の通気から幼い姉妹の泣き声が聞こえてくると言って、壁にを打ちつけて狂乱する々。 彼が守ろうとした族の名誉はに堕ち、子どもたちからも見捨てられ、誰面会に訪れる者もいないまま、孤独なを待つだけのへと成り果てていました。

あの解体現の庭にあった齢の柿のは、型砕によって根元から々に砕かれ、焼却炉の猛のでとなって消滅しました。 敷の跡は品川区によって買い取られ、さな公園として備されることが決まりました。 公園の片隅には、になるといを咲かせる本の桜の苗が植えられる予定でした。

墓参りを終えた渡辺は、制の襟を正し、墓に向かって静かに敬礼を捧げました。

「遅くなって、本当にすまなかった。 もう、たいのへ戻ることはない。お母さんとをつないで、温かい空ので笑っていてくれ」

渡辺が振り返ると、涙を拭った武が、くをげていました。 のに言葉はありませんでしたが、交わした線のに、確かな祈りと謝がありました。

丘のを吹き抜けていくののに、どこか懐かしい、甘いのりが微かに混ざっていました。 がどれほどな権力と嘘で真実をのに埋めてようとも、は決して無の血をみ込んだまま沈黙することはありません。

のを破り、のへと還っていった母との娘たち。 その魂は今、どこまでも青く広がる空の彼方で、らかな眠りについていました。

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