"「柿の木だけは切るな」――庭から出た四人の遺骨" 第12話
狂言の発作とい巨塔の盾
品川署の取調。 鉄の机を挟んで、渡辺と、そしてが雇い入れた元裁判事の弁護士が向かいっていました。
机のには、万の胴体とキャップ、そして体の蓋骨の写真が並べられていました。
「郎、観しろ。子さんの遺骨はおの万を握りしめ、おは殺の翌朝にまみれで遺言を作っていた。沖縄にいたというアリバイは完全に崩れた」
渡辺が鋭く迫ったその瞬、隣に座っていた物弁護士が笑いを浮かべてをきました。
「渡辺係、牽付会な作り話は法廷では通用しませんよ。 先は、庭の入れに誤って万のキャップを落としただけです。 それを政婦の佐藤が拾い、価なだとってネコババしたに過ぎない。 万がそこにあったことと、殺害の実為には何の因果関係もありません」
弁護士は類を指先で弾き、然と告げました。
「直接の目撃者も凶器もない。 件できるのは体遺棄ですが、公訴効はとっくに満している。 先、もうこんな茶番に付きう必はありませんよ」
そのでした。 追い詰められていたが、突然、両で自らの胸を掻きむしり始めました。
「う……ぐあぁっ……! く、苦しい……!」
ガタガタと全を激しく震わせ、は子からへと崩れ落ちました。
広告
からい泡を吹き、自らの舌を噛み切って唇から血を流しながら、畳のをのたうち回ります。
「がぬぞ! 警察が齢の被疑者を拷問して臓発作を起こさせた!」 弁護士がドアをけ放ち、廊に向かって絶叫しました。
取調は瞬にして修羅と化しました。 被疑者の健康管理規定により、尋問は即座に止され、救急隊が崩れ込んできました。
ストレッチャーに乗せられて運ばれていくの、閉じられた瞼の隙から、渡辺を見す酷なが瞬だけ閃いたのを、渡辺は見逃しませんでした。
が搬送されたのは、彼が額の寄付をっていた学病院の特別集治療でした。 到着からわずか、病院自らが記者会見をき、々しい表でマイクを握りました。
「氏は急性筋梗塞および広範な脳梗塞を発症し、現、疎通が完全に能な状態です。 さらに度の血管性認症を併発しており、裁判や尋問に耐えられる状態ではありません」
翌の朝刊には、弁護団が配布した声文がきく取りげられました。 『警察の違法な過剰捜査により、教育界の功労者が危篤状態に』
報番組のコメンテーターたちが警察の暴を批判し、世論は気に逆流し始めました。 警察層部は保のために揺し、品川署の署に号の話が鳴り響きました。
「渡辺! 被疑者をこれ以刺激するな! 勾留請求は直ちに取りげろ!」
壁を殴りつけた渡辺の拳から、血が滴り落ちました。 権力と、そして歪んだ医療の壁が、またしても殺鬼のに難攻落の塞を築きげていたのです。