"「柿の木だけは切るな」――庭から出た四人の遺骨" 第4話
首元に残されたの迷子札
が暮れると、発掘現には力な投器が何台も持ち込まれ、昼のようないが穴を照らししました。 鑑識係員たちによる、遺骨の収容作業が最終局面を迎えていました。
骨の部位をひとつずつ照しながら慎に取りしていた鑑識員が、番さな歳児の首元のを刷毛で払ったときでした。 の塊のから、キラリと鈍くるさな属片がピンセットに挟まれて現れました。
「係、遺留品がました!」
それは、と錆に覆われた、縦センチほどのさなのプレートでした。 鑑識員がアルコール綿で丁寧に表面を拭うと、揃いな彫りの文字が浮かびがってきました。
『さとう みお 2000ねんうまれ』
裏面には、母親のきとわれる、自宅の固定話の番号が刻まれていました。 末っ子の美央(みお)ちゃんが、万が迷子になったときのためにと、母親が首にかけてやっていた迷子札のネックレスでした。
きていれば、今で歳。 社会にて、恋をして、美しいの女性になっていたはずの命でした。 それが、わずか歳の骨となってたいの底に転がり、錆びたのプレートだけを今も抱きしめていたのです。
渡辺はジップロックに入れられたさな迷子札を受け取り、投器のにかざしました。
広告
唇をく噛み締めると、のに鉄のが広がりました。
「……こんなたい暗ので、ずっと待っていたんだな」 渡辺のい声に、周囲の刑事たちも拳をく握りしめました。
「これは単なる変事案じゃない。 の命を奪い、棒の汚名を着せても逃げおおせてきた悪魔を、絶対に法廷へ引きずりすぞ。 科学捜査研究所に超特急でDNA鑑定を回せ! 当の捜査記録を今夜にすべて私の机に並べろ!」
渡辺の号令のもと、捜査本部が慌ただしくきしました。 翌朝、科捜研から届いた鑑定結果は、残酷な真実を完全に裏付けていました。
体の遺骨のDNAは、に失踪した佐藤子さんと、そのの実子のものであると確定しました。 そして法医学者の解剖所見には、酷な事実が淡々と記されていました。
『因は蓋骨砕骨折による脳挫滅。 成女性のみならず、歳幼児に至るまで、頂部から部にかけて複数回のい打撃が加えられている。 受傷の角度から見て、肢を拘束されるか、あるいはにうずくまって逃げを失った無防備な状態の部を、位の犯が見ろす形で執拗に乱打したと推認される』
母親だけでなく、命乞いをする幼い子どもたちのまで、槌のような鈍器で叩き割ったのです。 この悪魔のような所業を平然と成し遂げた物が、今もどこかで「教育者」
としての余を謳している。 渡辺の胸ので、静かなりの炎が激しく燃え盛っていました。