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"「柿の木だけは切るな」――庭から出た四人の遺骨" 第2話

封印された穴とつの遺骨

通報から分と経たないうちに、けたたましいサイレンとともに規制線が張り巡らされました。 品川警察署と警庁捜査課の捜査員、そして鑑識課員たちが次々と現へを踏み入れました。

「半径メートル以内は完全ち入り禁止だ! 野次馬をづけるな!」

現の指揮を執るのは、捜査課の係、渡辺刑事でした。 鋭いを崩さない叩きげのベテランです。

渡辺は穴の縁に膝をつき、掘り起こされたの断面をじっと見つめました。 約・メートルのさに、為に掘削された形跡がはっきりと残っていました。 そして、骨の周囲には、とは異なるい末が固まってこびりついていました。

袋をはめた指先でをつまみ、渡辺はく唸りました。

「消だ……遺体を埋めてを撒き、腐敗臭を抑え込んでいる。 その真に、この柿のを植えて隠したんだ。 これは事故やき倒れじゃない。完全に図して造られた墓穴だ」

鑑識課員たちが刷毛とさなシャベルを用い、丁寧にを払い落としていきました。 夕暮れの暗いのに現れた遺骨の全貌は、居わせた捜査員たちの息を呑ませました。

成女性と見られる骨は、さなつの骨を自分の胸のに抱きしめるようにして、折りなって横たわっていました。

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番さな蓋骨は、わずか、歳程度の子どものものでした。

「係、これを見てください」 虫鏡を覗き込んでいた鑑識員が、声を震わせました。

「体すべて、部にまったく同じ形の陥没骨折があります。 鈍器のようない凶器で、真から容赦なく叩き割られています」

逃げを失い、部の隅でを寄せっていた母と子を、何者かが酷に見ろしながら撲殺した痕跡でした。 幼い蓋骨に刻まれた々しい亀裂を目撃し、現にいた刑事たちは奥歯をギリギリと噛み締めました。

規制線のには、異様な騒ぎを聞きつけた隣の老たちが集まり始めていました。 そのの、杖をついた老が、引き抜かれた柿のを指差して呟きました。

「まさか……あののにが埋まっていたなんて……。 あそこは昔、先の敷だったんだよ。 教育で、町内でも仏のように尊敬されていた派な先だったのに……」

老の言葉に、渡辺は鋭く反応しました。 「おじいさん、あの柿のについて、何かっていることがあるんですか?」

老は唾をみ込み、震える声で記憶の糸を繰り寄せました。

「あの柿のはね、毎信じられないくらい見事な実をつけたんだ。 になると枝が折れそうになるほど、赤くてきな柿が鈴なりになってね。

先は自らはしごに登って収穫しては、『がに福をもたらす縁起物だ』って、所に箱いっぱいに配ってくれたんだよ……」

そのにいた刑事たちの背筋に、氷のような戦慄がりました。 母娘の遺体を肥料にして育った柿の実を、犯は「福を呼ぶ果実」として隣に振るっていたのです。

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