"離婚半年後、元義母が私の新居を奪いに来た" 第5話
慰謝料の代償と裏切りの内見
私はくため息をつき、今度こそ完全に息の根を止めてやる決を固めて玄関ドアをけた。もちろん、チェーンはしっかりと掛けたままだ。
「何の用ですか? 警察を呼ばれたのを忘れたんですか?」
智恵子はドアの隙に顔をづけ、血った目で叫んだ。
「慰謝料の代わりに、このをけ渡しなさい!!」
「……は? 慰謝料?」
いたが塞がらなかった。この期に及んで何を言いすのかと、を疑う。
「当たりでしょ! あんたが倫して亮太郎を裏切った慰謝料よ! このはあの男にいこと言いくるめられたけど、私は騙されないわ! あんたが浮気して婚したんだから、このを慰謝料として亮太郎と私に差しすのが筋でしょ!」
どうやら智恵子の歪んだ脳内では、「嫁が倫して勝に婚した」という都のいいストーリーが真実として定着してしまっているらしかった。
私はこれ以毛な言い争いをする気力を失い、度部の奥へ戻った。
そして、リビングの引きしから、あらかじめ用しておいた冊のファイルをに取り、玄関へ戻ってきた。
チェーンをし、分い類のコピーを智恵子の胸元へピシャリと突きつける。
「何よこれ……?」
「公正証の謄本ですよ。よく読んでみてください」
智恵子は怪訝そうに眉をひそめ、類に目を落とした。
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表をめくった瞬、彼女の瞳が驚愕に見かれ、を持つ指先がガタガタと音をてて震え始めた。
そこには、公証役で作成された法効力を持つ文面が、はっきりと刻まれていた。
『婚原因:夫・亮太郎の貞為による破綻』 『貞相:メイ(申の実妹)』 『慰謝料:百万円および養育費額万円を、夫が申に対して支払うものとする』
「な……ななな、何よこれ……! 亮太郎が……浮気……!? そ、そんなはずないわ! あの子がそんな破廉恥なことするわけないじゃない!」
「破廉恥なことをしたんですよ。しかも相は、私の実の妹のメイです」
私がを押し殺した徹な声で告げると、智恵子の顔からみるみるうちに血の気が引いていった。
智恵子自、かつて夫の浮気が原因で婚し、女つで亮太郎を育ててきたという過があった。だからこそ、彼女は常頃から「浮気をする男はのクズだ」と激しく嫌悪していたのだ。
その最の息子が、あろうことか実の妻の妹と倫に溺れ、庭を崩壊させていた。
「う、嘘よ……嘘に決まってるわ! だって、このアパートにった、メイちゃんがいたけれど……あの子はただ、お姉ちゃんの留守を預かりに来てただけだって……」
「留守を預かる? 笑わせないでください。はとっくにあの部で同棲していましたよ」
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私は笑を浮かべ、吐き捨てるように言った。
私が亮太郎の浮気をったのは、居を探すために宅の内見をねていた、のことだった。
当、まださかったユアを連れて、何軒もの戸建てを見て回っていた。しかし、亮太郎はいつも気乗りのしない態度で、窓のをぼんやり眺めるばかりだった。
そんなある、見学に訪れた物件の担当者として現れたのが、偶然にも幼馴染のくんだった。
わぬ再会に私がんでいると、亮太郎はなぜか急激に顔を変え、「おい、もう帰るぞ!」と私の腕を引に引っ張って、逃げるようにその物件をびしてったのだ。
審にっていた翌朝、私のバッグのポケットから、内見の別れ際にくんがこっそり滑り込ませてくれたさなメモが見つかった。
そこには、信じがたい言がかれていた。
『ゆいちゃん、旦さん、先週別の若い女性と緒にこのの内見に来ていたよ』
血の気が引いた私は、すぐに興信所に調査を依頼した。
そしてがってきた報告には、亮太郎が私の実妹であるメイと腕を組み、ラブホテルや級レストランへ入りする々しい写真の数々が収められていたのだ。
亮太郎は、メイと緒にむためのを事に内見して回り、メイが「ここが気に入らない」
と言った箇所を、から私にリフォームさせて購入させようと企んでいた。
そしてを買わせた、私とユアに適当な言いがかりをつけて追いし、自分とメイがその豪邸に居座る——そんな反吐がるような計画を、実の妹と結託してめていたのだ。