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"夫の出張中に義両親が居座った――電話で判明した正体" 第11話

差しされた黒い角

「太陽だあ? 何を寝言言ってるんだか」

クズノの老はきなあくびを噛み殺し、太い腕を組み直しました。

「わしらが自分のでていくわけがなかろうが。 言ったはずだぞ、ここはわしらの楽園だ。 力づくでもかん百キロが、おのごときでくとうなよ」

老婆も悪そうに顎をしゃくり、せせら笑いました。

「そうよ、誰が逃げすもんですか。 あんたがどれだけ優しい顔を作ったって、私たちはここに居座ってやるわ。 さあ、お腹が空いたわね。 く晩ごはんの用でもしなさいよ!」

は勝利を確信したように、ドスンとたい音をててソファへ腰を沈めました。 クッションの綿が鳴をげ、リビングの空気が淀んでいきます。

私はることもなく、ただ静かに微笑んでいました。

「そう、お腹が空いたのね。 ちょうどよかったわ、今すぐ美しいものを用してあげる」

私はキッチンの奥へ歩み寄り、蔵庫の横の棚からさな箱を取りしました。 カチャリと具をし、から黒くて丸っこい何かを取りします。

そして、お皿のにコトンとそれを乗せ、ののテーブルへ静かに差ししました。

「はい、どうぞ。おにうといいけれど」

差しされた物体を見て、老は目を瞬かせました。

「……ん? なんだこりゃ。

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苔を巻いたおにぎりか?」

黒くて、掌にすっぽり収まるほどのきさの、しゴツゴツとした塊でした。 見た目には、真っ黒な苔を隙なくびっしりと巻きつけた角形のおにぎりに見えなくもありません。

老婆はそれを見て、勝ち誇ったようにを鳴らしました。

「ふん! なんだ、そういうことかい! 最初からそうやって、私たちを養う気になればげもあったものをねえ!」

老婆はを伸ばし、皿のの黒い塊を指でつまみげました。

「旗をげたってわけね。 よろしい、このおにぎりを皮切りに、からは毎ご馳を用してもらうわよ。 これからも末くよろしくね、お・よ・め・さ・ん!」

ゲラゲラと品に笑う老婆の元を、私の背から覗き込んでいたメイが、ぽつりと呟きました。

「……偽おばあちゃん、それ、おにぎりじゃないよ」

メイの澄んだ声が、静まり返ったリビングにさく響きました。

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