"「このおばあちゃん、危ない」六歳の孫が見たもの" 第14話
もらう、渡す
次のの、町内会の公民館で梅干し作りの会がかれた。
蛇田さんは、梅を洗うところから、塩をまぶして甕に入れるところまで、集まったたちに教えてくれた。は、麻と緒に梅をひとつずつ拭いていた。
「ちゃん、力を入れすぎないでね。梅が傷ついちゃうから」
「こう?」
「そうそう。ね」
蛇田さんの声は、以よりるくなっていた。
「蛇田さん、こういうことが得だったんだなあ」
野さんが言った。
「昔から主と緒にやっていたの。まさか、こんなにたくさんのに教えることになるとはわなかったわ」
「来もお願いしたいね」
「ええ。みんながべたいと言ってくれるなら、作るのも張りいになるわ」
会が終わった、蛇田さんは、参加したたちにさな梅干しの瓶を渡した。今度は、無理をして買ったお菓子ではない。自分で作り、渡したいとったものだった。
「静子さんにも、ひと瓶」
「ありがとうございます。夫もぶといます」
「ちゃんにもね」
「ありがとう、きよ子おばあちゃん」
は、瓶を両で受け取った。
その帰り、私は蛇田さんと並んで歩いた。
「みんな、梅干しを楽しみにしているんですね」
「そうね。配るものを変えたら、誰も来なくなるとっていたけれど、違ったみたい」
「蛇田さんが作るものだから、みんなんでいるんですよ」
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「そう言ってもらえると嬉しいわ」
蛇田さんは、し歩いてから言った。
「静子さん、あのあなたが『もう配らないで』と言ったのではなく、『無理をしないで』と言ってくれたことを、今になって分かった気がする」
「うまく伝えられなくて、すみませんでした」
「いいえ。私は、受け取ってもらえないことばかり気にしていたの。あなたが配してくれていたことを、ちゃんと聞いていなかった」
「私も、蛇田さんが寂しいとにするまで、気持ちを分かったつもりになっていました」
蛇田さんは、ゆっくりとうなずいた。
「今度は、お菓子がなくても会いにくわ」
「ぜひ来てください。お茶をみましょう」
「梅干しを持っていかなくても?」
「もちろんです」
蛇田さんは笑った。
その笑顔を見て、私はった。が誰かに何かを渡したくなる気持ちは、きっと切なものだ。ただ、その気持ちを無理に支えるために、自分を追い詰めてしまわないことも切なのだ。