"「このおばあちゃん、危ない」六歳の孫が見たもの" 第8話
の説
「何かあったんですか」
私は、の輪のから声をかけた。
員がこちらを振り向いた。
「こちらのお客様がお持ちの袋に、当の商品が入っているようです。お客様ご本は、もらい物だとおっしゃっていますが、のため確認させていただいています」
蛇田さんは、私を見た。
「静子さん、私は何もしていないわ。ちゃんにあげるものを、袋に入れていただけよ」
私は買い物袋を受け取ろうとした。ところが員は、に持った品物を見せた。
ひとようかん、ミニどら焼き、袋のあられ。それらは、蛇田さんのかごに入っていた菓子と同じものだった。
「このお菓子、袋に入れたところを見られたのですか」
「はい。防犯カメラでも確認させていただきました。お客様が、こちらのお客様の提げ袋に商品を入れようとなさったように見えます」
「そんな……」
蛇田さんの声が震えた。
の責任者だという男性がてきた。
「の森と申します。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。まずは事務所でお話を伺わせてください」
蛇田さんは、顔を伏せた。
「私は、ただちゃんにあげたかっただけなの」
は私のをく握った。
「おばあちゃん、お払ってないの?」
その声に、蛇田さんは目を閉じた。
「ちゃん、今は聞かないで」
私はそう言ってから、に向き直った。
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「私たちも、事務所にご緒した方がいいでしょうか」
「お提げ袋をお持ちだった方には、状況を確認させていただきたいといます。お孫さんも、無理のない範囲で緒に来ていただけますか」
事務所には、と従業員、それから私と、蛇田さんが入った。は、の記録を確かめながら、落ち着いた調で説した。
「この週で、蛇田様が菓子売りの商品を会計せずに持ちした能性がある面が、複数回確認されています。こちらで記録を確認した範囲では、回です」
蛇田さんの肩がさく揺れた。
「計は千百円でした。いずれもさな商品ですが、の商品ですので、警察に連絡する必があります」
「そんなに……」
蛇田さんは、両で顔を覆った。
私はを抱き寄せた。は私の胸に顔を押しつけている。
「静子様の袋に商品を入れようとしていた面も映っています。お孫さんがを引いていなければ、静子様も事を聞かれていたかもしれません」
私は、の言葉を聞きながら、レジのでが私を引っ張ったのことをいした。
あの子は、袋に商品が入るのを見たのだ。
「蛇田さん、どうしてこんなことを」
私の問いに、蛇田さんはすぐには答えなかった。
「みんなに、お菓子を配りたかったの」
「おを払わずに?」
「最初は、ちゃんと買っていたのよ。
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でも、毎配るようになったら、おが続かなくなって」
「それなら、配るのをやめればよかったのではないですか」
「やめたら、みんなが私の名を呼ばなくなるとったの」
その声は、ほとんど聞き取れないほどさかった。
「梅干しを配っていた頃は、誰も私のことを覚えてくれなかった。でも、お菓子なら子どももぶでしょう。『蛇田のおばあちゃん、ありがとう』って言ってくれるでしょう。あの言葉を聞くと、まだ私がここにいていいんだってえたの」
蛇田さんの目から、涙がこぼれた。
「静子さんにだけは、受け取ってほしかった。あなたは、私のおのことまで配してくれたから。だから今は、ちゃんとした親切なでいたかったのよ」
は、私のを握ったまま、蛇田さんを見ていた。
その顔に、りはなかった。ただ、何が起きたのかを懸命考えているようだった。