"「このおばあちゃん、危ない」六歳の孫が見たもの" 第1話
お菓子の向こうに見えたもの
「曜のお昼は、やっぱり混みますね」
レジの列に並びながら、蛇田さんは楽しそうに笑った。私の買い物かごには、牛乳と卵、それからの好きなさなヨーグルトが入っている。蛇田さんのかごには、ひとようかんや袋のあられ、ミニどら焼きがいくつも入っていた。
「ちゃん、これ好きでしょう? おばあちゃんと緒にお買い物できてよかったわね」
蛇田さんは、歳の孫に向けてやさしい声をかけた。けれどは、いつもなら真っ先にのぞき込むお菓子に目を向けなかった。
「ばあば」
が私のをぎゅっと握った。
「どうしたの?」
「このおばあちゃん、あぶない」
その声は、内のざわめきに紛れてしまいそうなほどさかった。それでも、蛇田さんの笑顔が消えるのは分かった。
「、そんなことを言ったら失礼でしょう」
私は孫をたしなめた。は返事をせず、私のを引いた。
「ばあば、こっち」
「、ちょっと待って。袋詰めをしないと」
レジの脇に置かれた買い物袋は、まだいたままだ。蛇田さんが買ったお菓子も、かごのに残っている。
「どうしたの、そんなに慌てて。お顔が真っよ」
は私を見げた。目に涙はなかった。けれど、いつもよりずっと固い表をしていた。
「ばあば、トイレきたい」
その言葉を聞いて、私は蛇田さんにをげた。
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「すみません。この子、急にトイレだそうです。すぐ戻りますので、ここで待っていてくださいね」
「ええ、もちろん。ゆっくりってらっしゃい」
蛇田さんは、また笑顔を作った。けれど、目元だけがこわばっているように見えた。
とをつないで、私はの奥にあるトイレへ向かった。ところが、は入までくとち止まった。
「ない」
「え? さっきはきたいって言ったのに」
「うん。でも、ここに来たかったの」
は私のをさなかった。
「ばあば、戻らないで」
その、私は初めて、が本当にトイレにきたかったわけではないと気づいた。何かを避けるために、私をあの所からざけたのだ。
「、何があったの?」
「わかんない。でも、あのおばあちゃん、ばあばの袋に何か入れようとしてた」
胸がひやりとした。
その瞬、のの方が騒がしくなった。振り返ると、何かのがち止まり、員らしい男性が蛇田さんに声をかけている。
「お客様、恐れ入りますが、お提げのを確認させていただけますか」
私はのを握り直した。
あの子がを引いてくれなかったら、私は今ごろどうなっていたのだろう。