みかん小説
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"正月、娘を家政婦扱いした義実家――私が下した決断" 第1話

だけの卓と、失われた平穏

「ただいまー。おい、呂沸いてるか?」

玄関の引き戸が乱暴にき、夫の賢が靴を脱ぎ散らかしながら廊をドカドカと歩いてきました。 コートをリビングのソファに放りし、そのままドサリと腰を沈めます。

「私もさっき仕事から帰ってきたばかりなんだけど。お呂はこれから沸かすわ」 台所でネギを刻んでいた私は、包丁をかすを止めずに答えました。

「じゃあ先にビール。喉カラカラなんだよ」 ソファからこうともせず、賢は蔵庫の方向を顎でしゃくりました。

私は包丁を置き、振り返って賢の顔をじっと見つめました。 「自分で取ってよ。蔵庫まで数歩でしょ」

「なんだよ、たいな。夫婦だろ? それくらい気利かせて持ってきてくれたっていいじゃないか」 満そうにを尖らせる賢を無して、私は夕の支度を続けました。

呼吸をひとつして、鍋の加減を調します。 ため息をつきそうになるのを、奥歯を噛みしめてぐっとみ込みました。

賢は舌打ちをひとつ鳴らし、のそのそとい腰をげました。 蔵庫から缶ビールを取りすと、プシュッと勢いよくプルタブをけます。

「かぁーっ! やっぱり仕事のはこれだな!」 喉を鳴らして半分ほど気にみ干し、嫌でテレビのチャンネルを回し始めました。

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その横顔をめた目で見つめながら、私はい昔のことをいしていました。 歳になる私、ゆり子が、歳の賢と再婚したのはのことでした。

の夫とは、娘の美咲(みさき)がまだ歳の頃に婚していました。 それからはで朝から晩まで必に働き、女ひとつで娘を育ててきました。

美咲は学になったばかりの歳です。 な頃でしは達者ですが、根は優しくていやりのある、自の娘でした。

賢とは仕事の取引を通じてりいました。 交際していた頃の彼は、信じられないほど穏やかで、何よりも娘の美咲の気持ちを最優先にしてくれるでした。

「無理してお父さんって呼ばなくていいよ。美咲ちゃんのペースで、しずつ族になれたらいいからね」 そう言って優しく笑いかけてくれた賢の言葉に、美咲も警戒を解き、しずつをいていきました。

(このと緒なら、で温かい庭を築いていけるかもしれない) そう信じて決めた再婚でした。

けれど、籍を入れて同じ根ので暮らし始めた途端、彼の化けの皮は音をてて剥がれ落ちていったのです。

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