"高齢女性を後回しにした受付――絵を替える女性の正体" 第7話
千代さんが聞いていたこと
髪の女性は、脚を壁際へ寄せてから受付のに来た。
「私は千代と申します。先代院の妻です。院から頼まれて、ときどき待の絵を掛け替えています」
千代さんは胸元の名札を示した。診療所の職員ではないが、くこの所を見てきただった。
「今は絵を替えに来ただけでした。でも、今のお話は聞こえました。患者さんが具の悪さを訴えたとき、まず護師に伝えるよう院と確認したいといます」
沼田さんは、表をくした。
「私は、患者さんのことをって判断しただけです」
「そのつもりだったかどうかを責めているのではありません。誰が症状を確認して、誰が順番を決めたのか、順を確かめたいのです」
ちょうどそのとき、護師が待に来た。田さんの顔を確かめ、ふらつきの程度を聞いてから、血圧を測った。
「しめです。分は取れていますか?」
「朝はお茶を杯みました」
護師は田さんを処置へ案内した。診察の順番をばすかどうかは、その、医師が状態を確認して決めることになった。
「静子さん、ありがとう。言ってくれなかったら、また黙っていたとう」
田さんは、私のを握った。
「私では何もできません。護師さんが来てくれてよかったです」
黒田さんが診察からてきた。
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千代さんの姿を見ると、そのでを止めた。
「千代さん……」
「黒田さん。受付で、先代院の妻と昔から付きいがあるとおっしゃったそうですね」
「私は、沼田さんから千代さんの名を聞いたことがあるだけです。お会いしたことはありません」
黒田さんは線を落とした。
「それなのに、どうしてそう話したんですか」
千代さんの声にはりより、確かめる響きがあった。
「先に診てもらえるよう、沼田さんが取り計らってくれるからです。私は主の仕事の付きいもあるし、受付で何度かそうしてもらっていました。千代さんとりいだと言えば、話が通りやすいとって……」
待の空気が止まった。
「胸のどきどきは、本当にあったんですか」
野さんが尋ねた。
黒田さんは、しを置いて答えた。
「たまに悸はあります。でも、今はもう落ち着いていました。いつもの注射を受けたくて来たんです。沼田さんが次に入れてくれると分かっていたから、順番を待たなくていいとっていました」
「症状があったことと、受付で特別扱いを頼むことは別です」
千代さんはそう言った。
黒田さんは何も返さず、会計を済ませて帰っていった。
田さんは処置で休んでいた。私はそので、誰かを責めることより、院に今の順を確認してもらうことが先だとった。