"高齢女性を後回しにした受付――絵を替える女性の正体" 第6話
受付で止められた声
黒田さんが診察に呼ばれたのは、田さんの番号が来るだった。
「黒田さん、どうぞ」
沼田さんが声をかけると、黒田さんは「すみませんね」と待にをげ、扉の向こうへ入っていった。
田さんは番号札を見つめた。呼ばれた番号は、彼女よりの番号だった。
「順番が変わりましたね」
私が言うと、野さんが聞を畳んだ。
「症状を確認して先に診ることもあるだろう。ただ、護師さんが確認した様子はなかったな」
私は沼田さんに尋ねようとちがった。受付にづくに、浦さんがこちらを見てさく頷いた。
「浦さん、順番が変わった理由を教えていただけますか。田さんも、に同じことがあってになっているんです」
沼田さんが受付の奥からてきた。
「静子さん、順番はこちらで決めています。受付で言われたとおりにしてください」
「具が悪い方を先に診ることがあるのは分かります。ただ、誰が症状を確認したのか、待っている側には分かりません」
「黒田さんは胸がどきどきするとおっしゃったんです。く診てもらう必があると判断しました」
「その判断は、護師さんか先に確認していただけませんか」
沼田さんは眉を寄せた。
「受付のことにをさないでください。静子さんは付き添いでしょう」
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そのやりとりの、田さんは黙っていた。彼女は膝ので両をね、指先をく握っている。
「田さん、気分はどうですか」
私はそばへ戻って尋ねた。
「し、目のが揺れるじがするの。さっきから汗もてきて」
彼女の額には細かな汗が浮かび、顔はさっきよりくなっていた。
私はすぐに浦さんへ伝えた。
「田さんがふらつくそうです。護師さんに来てもらえますか」
浦さんがちがろうとしたとき、沼田さんが言った。
「次は黒田さんです。田さんは番でしょう」
「診察を先にしてほしいと言っているのではありません。具が悪いので、護師さんに状態を見てもらいたいんです」
「げさにしないでください」
その言葉に、田さんの肩がさく揺れた。
野さんが聞をたたんでちがった。
「げさかどうかを、受付だけで決めるんですか。護師さんに見てもらえば済むことじゃないですか」
沼田さんは返事をしなかった。
浦さんは受付の奥へ向かい、護師を呼びにった。戻ってきた彼女の顔は緊張していたが、声ははっきりしていた。
「護師さんが来てくださいます。田さん、し楽な姿勢でお待ちください」
私は田さんの隣に座り、彼女が背もたれに体を預けられるよう子を引いた。
待の奥で、脚を片づけていた髪の女性がこちらを見ていた。
「沼田さん。今の対応について、院に確認させてください」
その声はきくなかったが、待の全員に届いた。