"看護師を捨てた元彼、10年後に妹の名刺を踏みつけた" 第14話
転落の果てと、に入れた自由
示談の成から、わずかヶのことでした。
志の会社は、資者であった綾乃さんの実から資を引き揚げられたことで、あっけなく資ショートを起こしました。 さらに、法律事務所からの顧問契約解除と、社自の醜聞が業界内にれ渡ったことで、取引先が斉に脱。 会社は事実の倒産に追い込まれました。
志は学を退したまま社の座に就いていたため、最終学歴は卒。 経営者としての実績も、すべてろ盾のコネと私の積み支援があったからこそ成りっていたハリボテに過ぎませんでした。
慰謝料と示談の支払いのために級やブランド品はすべて売り払われ、残ったのは額の個な借だけ。 業界内で完全にブラックリスト入りした彼を雇い入れてくれる企業など、どこにもありませんでした。
の噂で聞いた話では、志は現、郊の造アパートにを寄せ、雇いの肉体労働をしながら、借の返済に追われる々を送っているそうです。 かつて彼が「3Kの仕事」と見していた現で、と汗にまみれながら、誰からも見向きもされない活を送っているのだと。
けれど、そんな彼の末を聞いても、私のには何の波もちませんでした。
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復讐のびすらありませんでした。 ただ、私の首に絡みついていたい鎖が、綺麗さっぱりれたような爽があるだけでした。
私は受け取った示談を元に、勤めた総病院を円満退職しました。 そして、以から興のあった緩ケアと域医療を学ぶため、沿いの穏やかな方都へと引っ越したのです。
築浅のさなマンションを借り、自分の好きなナチュラルテイストの具を揃えました。 休に誰かのために無理をして料理を作る必も、誰かの嫌を伺って怯える必もありません。
朝、淹れたてのコーヒーのりを吸い込みながら、ベランダから青いを眺める。 ただそれだけのことが、どれほど贅沢で幸せなことか。 代半ばにして、私はまれて初めて「自分のための」を歩み始めたのでした。
仕事面でも、のクリニックでやりがいのある々に恵まれました。 患者さんひとりとじっくり向きい、穏やかな笑顔を引きす護。 かつて母のように、誰かを笑顔にしたいと願っていた初が、胸ので再び温かく息づいていました。