"誕生日に姪を選んだ夫、3年後の再会で絶句" 第11話
の記憶と青ざめた唇
「……ま、まさか……、先……?」
百の喉から、空気が抜けるような掠れた声が漏れた。
さっきまで目を使い、媚びるように目遣いをしていたあの勝ち誇った表は完全に崩れり、唇は血の気を失っての斑点を浮かべていた。
鏡をかけた勉くんの横顔は、普段の優しい夫のものではなく、医療の現で無数の患者とシビアに向きってきたプロの医師そのものだった。
「はい。ご名答です」
勉くんはを交えずに淡々と頷いた。
「俺は、あなたのことを医師と患者という関係でっていました。プライベートで妻の陽菜子から聞いていた『元夫と姪』の話と、俺の診察にやってきたあなたの名が、まさかここでつに結びつくとはってもいませんでしたけれど」
「お、おい百……これ、どういうことだ?」
事がみ込めない尾が、オロオロと線を泳がせながら百の肩を揺さぶった。
「この医者、おのりいなのか? なんの先なんだよ!」
百は尾のを乱暴に振り払い、がたがたと全を震わせながらずさりした。答えられるはずがなかった。その秘密がかされることは、彼女が築きげてきた嘘のが、っ端微に吹きぶことをしていたからだ。
医師には守秘義務がある。患者のカルテの具体なや治療歴を、第者ので自分からかすことは法律で禁じられている。
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けれど、勉くんが言おうとしていることの輪郭を、同じ女性である私は瞬に察した。
私はややかな笑みを浮かべ、呆然とち尽くす元夫の尾に線をわせた。
「尾さん。これはただの私の独り言だから、聞き流してくれて構わないけれど……夫の勉くんが勤めているのはね、内でも指折りの総周産期母子医療センター——つまり、産婦科なのよ」
「……は? 産婦科……?」
「そう。そして、私は検査でも完全に正常で、再婚してすぐに双子を自然分娩で授かった。……あとは、あなたのでよく考えてみたらどうかしら?」
尾の顔面から、急速に気が抜け落ちていった。
男の浅はかな脳裏で、これまでの点と点が、音をてて本の線に繋がっていく。
『陽菜ちゃんが何頑張ってもできなかったのに、私、発で授かっちゃったの』 『子供ができない女とこれ以緒にいても、俺のの無駄遣いなんだよ』
、喫茶で尾が誇らしげに吐き捨てたあの言葉。
もしも——もしも、私に妊の原因が切なく、尾自の側に決定な原因があったのだとしたら。
尾の線が、髪に染められた歳の『シンデレラ』と、ベビーカーので眠るヶの『アリエル』へと、恐る恐る向けられた。
「ま……まさか……お……! 嘘だろ……!?」
尾の声が、裏返って鳴のように響いた。
「この子たちは……俺の……俺の子供じゃないのか……!?」