"誕生日に姪を選んだ夫、3年後の再会で絶句" 第6話
孤独な再起と汗の流れるジム
都からでほどれた郊の宅に、私はさなワンルームのアパートを借りた。
本の仕事は辞め、元のさな物流会社で伝票理と受発注を管理する般事務の職に就いた。職のたちは誰も私の過をらないし、私も自分ののについて切にしなかった。
昼は淡々とキーボードを叩き、夜は静かな部で、自炊した簡単なご飯をべる。
尾から振り込まれた切れの百万円には、円もをつけなかった。通帳を見るだけで、あの喫茶でのの嘲笑や、玄関に積みげられた段ボールのがフラッシュバックして吐き気がしたからだ。
休にで部に籠もっていると、嫌でも過の記憶が脳裏をよぎる。
あの、百が私ので誇らしげに撫でていたお腹。
『陽菜ちゃんが何頑張ってもできなかったのに、私、発で授かっちゃったの』 『妊のおには分からないだろうけどな』
その言葉が夜、暗ので何度もリフレインし、枕を濡らした。
(このままじゃ、が腐ってしまう……)
そんな私を見かねた職の同僚が、ある、駅にあるスポーツジムの無料体験チケットを渡してくれた。
「織田さん、いつも真面目だけど、たまには体かして発散しなよ。汗かくとね、嫌なこと全部忘れられるよ」
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学代の体育の成績はから数えた方がかったインドア派の私にとって、ジム通いは完全に未の世界だった。けれど、休にで部に閉じこもり、過の霊に怯え続けるよりはましだと、私は運用のスニーカーを買い、ジムの扉をくぐった。
最初のうちは、ランニングマシンで分歩くだけで息ががり、太ももが鉛のようにくなった。
けれど、同僚の言った通りだった。
額からぽたぽたと落ちる粒の汗とともに、胸の奥底に澱のように溜まっていたドロドロとした黒いが、しずつ体のへ洗い流されていくような覚があった。マシンの負荷をしずつげ、筋トレのメニューをつずつクリアしていく。その達成だけが、空っぽだった私のを満たしてくれた。
週に度、曜の午。誰とも言葉を交わさず、ただ黙々とトレーニングに打ち込むが、私の唯の救いになっていた。
ジムに通い始めて半が過ぎた、爽やかなの曜のことだった。
ストレッチマットので入にアキレス腱を伸ばしていた私の背に、ふとく落ち着いた男性の声がかかった。
「……あの、もしかして、織田さんですか?」
驚いて振り返ると、そこにはグレーのトレーニングウェアを着た、の男性がっていた。
無駄な脂肪のない引き締まった体躯に、った端正な横顔。
く刈り揃えられた黒髪が爽やかで、どこかな落ち着きを漂わせている。
見覚えのないそのった顔ちに、私は戸惑いながら目を瞬かせた。
「えっ……と、はい、織田ですが……どちら様でしょうか?」
すると、その男性はふっと目尻をげ、懐かしそうにさく笑った。
「やっぱり! 俺だよ、。の、同じ図委員だった……勉(つとむ)だよ」