"「一緒に暮らそう」親切な男性に質問すると、顔色が変わった" 第13話
千鶴の質問
佐藤さんは、千鶴の質問を聞くと、しも迷わずに答えた。
「僕は料理が苦でね。ご飯さえ作ってもらえたら、僕は何もいらないんです。千鶴さんのなら部も余っているでしょう」
それは、私が聞いた答えとほとんど同じだった。私は、を挟まなかった。千鶴が自分で確かめるために、ここまで来たのだから。
千鶴は、すぐには返事をしなかった。湯呑みのふちに指を置き、ゆっくりと次の質問をした。
「私が友達とかけるは、どうしたらいいのかしら。に回、昔の仲とお昼をべにくの」
佐藤さんは、し考えた。
「かけるに事を作っておいてもらえれば、僕も温めるくらいはできますよ。千鶴さんなら、いつもしていることでしょう」
千鶴の指が止まった。
「じゃあ、私がをして寝込んだはどうしましょう? このですもの。そういうだってありますよ」
「そのは、千鶴さんがお弁当でも買ってきてもらえれば、僕はおのことで迷惑はかけませんから」
私は、わず息をのんだ。千鶴がをしているのに、彼女自が弁当を買いにく。佐藤さんの答えは、あまりにも自然だった。
「佐藤さん、をした私がお弁当を買いにくんですか?」
「ええ。僕は料理が苦ですからね」
「佐藤さんが、私のためにお粥を作ってくださることはないのかしら?」
広告
「千鶴さん、僕は料理が苦だと言ったでしょう。お粥なんて作ったこともありません」
千鶴は、目を伏せた。佐藤さんは、彼女が毎料理をすることを当然のことのように話していた。彼が欲しいのは、寂しさを分かちう相なのか。それとも、む所と事の支度をしてくれるなのか。
健が、焦ったようにを挟んだ。
「母さん、料理は得なんだから、いいじゃないか。佐藤さんがいてくれれば、俺もして向こうで暮らせるんだよ」
千鶴は、息子の方を見た。
「健。あなたは、私が何を望んでいるかを聞いた?」
「それは……」
「佐藤さんと暮らせば、あなたがするのね。でも、私ができるかどうかは、考えた?」
健は、言葉に詰まった。私は、ここでようやくをいた。
「健さん、千鶴さんが緒に暮らすのは、佐藤さんでもあなたでもありません。千鶴さん自です」
健は、私を見た。けれど、反論はしなかった。
その、玄関ので声がした。
「千鶴さん、帰りの買い物を渡しに来たよ」
留さんの声だった。彼女は、千鶴が頼んでいた野菜を持ってきたのだ。千鶴がちがると、留さんは茶のをのぞき込み、佐藤さんの顔を見た。
「あれ、あんた……」
留さんの表が変わった。