"母が泊まらない理由" 第7話
片付けられるパソコン、沈黙の卓
に戻ると、玄関のかりので咲が迎えてくれました。
「お義母さん、無事に乗れた?」 「ああ、分の速に乗せてきたよ」
リビングに入ると、シンクの器はすでに綺麗に洗い終えられていました。 そして、あのダイニングテーブルのには、先ほどまで棚のに片付けられていたノートパソコンが再び広げられていました。
咲は卓の端に腰掛け、画面をいてマウスを握り直していました。
「母さん、何か気にしてたのかな」 直はソファにく沈み込み、ため息混じりに呟きました。
「どうだろう……楽しそうだったけどね」 咲は画面から線をさず、キーボードを叩きながら静かに答えました。
「部も綺麗に用したのにな。俺、何のために布団を敷いたんだろう」 投げやりな直の言葉に、咲のがぴたりと止まりました。
「直、準備したからって、相が泊まらなきゃいけないわけじゃないよ」 咲の声には、普段はない微かな棘が含まれていました。
「いや、そういうじゃなくてさ……せっかくの親孝だったのに、空回りしたみたいでさ」 直がを抱えると、咲は静かに子を回し、直と向きいました。
「お義母さんね、帰るに玄関で私に言ってくれたのよ」 「え? 母さんが?」
「うん。『気を使わせてしまって、本当にごめんね』って」
咲の瞳が、直をまっすぐに見つめていました。
「でも、それがどういうなのか、私にはちゃんとは分からないけどね」 咲はそれだけ言うと、再びパソコンに向き直り、類の束をめくり始めました。
リビングには、カタカタという乾いたタイピングの音だけが響いていました。
階の向きの部は、灯も消され、え切った暗のにぽつんと取り残されていました。 誰の体温も宿さなかった真しい敷布団が、静まり返った部のに敷かれたままになっていました。
直は井を見げ、母の言葉と咲の横顔を反芻しました。 何かが噛みっていない。 その違の正体が何なのか、直にはまだ見当もついていませんでした。